「プル」とは「火」の意味で、「コギ」とは「肉」の意味を指す。つまり、「火」で焼く「肉」のことを「プルコギ」という。
このことから、すべての焼肉を「プルコギ」と判断してしまい、「焼肉」と「プルコギ」を同じものと理解している場合が多いが、そうではない。
もともと、プルコギは朝鮮戦争(1950年)以降に普及した焼肉料理の1つである。網やロースターを使うのではなく、真ちゅう製のプルコギ専用の鍋で焼くものだ。
タレも、醤油ベースのタレに梨やリンゴの果汁がたっぷり入ったものを使い、刻んだ野菜をたくさんいれて肉と一緒に食べるもので、日本の焼肉の鉄板スタイルとは違うものだ。
プルコギは傾斜した鉄板の面に肉をのせて焼くのであるが、肉の脂肪が傾斜した面から下の受け皿へ適度に流れ落ちる。それらが鍋の縁にたまり、タレやタレに多く含まれている果汁、肉といっしょに焼いている野菜から出る汁などでおいしく、柔かく、肉と野菜を食べることができる焼肉の1つである。
韓国・朝鮮では、直火で炙って食べるものを”炙”(ジュ)といい、これが焼肉料理の原点になる。中国の晋代(265年〜)には肉をあらかじめ調理して直火で焼く「炙」(ジュ)という焼肉料理があり、これが朝鮮半島に伝わっていった。これが日本の焼肉のルーツでもある。従って、焼肉料理は非常に歴史のある料理だが、その中でプルコギは比較的新しい焼肉料理といえる。
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