「ハイエンドを価値訴求で取り込むIY流ブランド戦略」

ブランド力が今後のカギとなる

イトーヨーカドーは競合店と比べてブランドを徹底的に打ち出している部分が特徴的である。
ほぼすべてと言っても過言でないほどブランド訴求で精肉を販売している。
今後、量販店でフォーカスを絞らなくてはならないのが「ブランド」。
この部分で競合と差別化する必要がある。
IY食品館の牛肉では最上級ブランドで「松阪牛」、豚肉では「イベリコ豚」を扱っている。
また定番の豚肉に関しても、輸入ポークは、「四元豚シルキーポーク」として、通常の「三元豚」よりも、良品という事を訴求している。
国産ポークは、「四元豚こくみ豚」、「金華豚」など、競合店とは圧倒的に品揃えが違う部分は注目すべき点である。
このブランドを使ってどう差別化していくかが、量販店の売場作りのカギとなるため、競合店調査をする場合でも「ブランド」に着目して店舗を見るとよい。

商品価格徹底調査

店舗調査をすると、まずは価格のチェックをすることが多いが、仕入の方法が企業によっても違うし、グレードやブランドによっても価格は変わってくる。
そのため、価格のみに頼った店舗調査はナンセンス!
あくまで、消費者が見たときに、高いか安いかの基準とはなるが、安くても「商い」が出来ていなければビジネスは成立しない。
そのため、価格調査では、ブランド、産地、特売か否かなどの情報も必要となる。
【イトーヨーカドー】
圧倒的にブランド力を生かした品ぞろえを行っていることが特徴。その代り、価格も競合より高く、上振れした差別化を行っている。価格競争をしないということを前面に打ち出した感じとなっている。

ブランド 産地 商品名 税込 単価円/100g 量目 パック単価
ハンガリー フォアグラ ご奉仕品 40 g 480 円
仙台和牛 宮城 黒毛和牛バラカルビ焼用 780 円 183 g 1427 円
松坂牛 三重 松坂牛ヒレ 3000 円 0 円
松坂牛 三重 松坂牛サーロイン 2500 円 0 円
松坂牛 三重 松坂牛モモすき焼き用 1500 円 172 g 2580 円
松坂牛 三重 松坂牛小間切落し 880 円 111 g 977 円
松坂牛 三重 松坂牛ももしゃぶしゃぶ用 1280 円 164 g 2099 円
かみふらの和牛 北海道 和牛ヒレ(シャトーブリアン) 1380 円 146 g 2015 円
かみふらの和牛 北海道 和牛すき焼き用切落し(肩ももバラ) 553 円 94 g 520 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛ももステーキ用 680 円 128 g 870 円
赤城山麓牛 群馬 国産牛ロースステーキ用 734 円 200 g 1468 円
赤城山麓牛 群馬 国産牛サーロインステーキ用 680 円 300 g 2040 円
赤城山麓牛 群馬 国産牛ロースすき焼き用 780 円 217 g 1693 円
赤城山麓牛 群馬 国産牛小間切落し 306 円 109 g 334 円
美味しい牛北国育ち(交雑) 北海道 牛モモ焼肉用 518 円 167 g 865 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛すねシチュー用 広告の品 278 円 386 g 1073 円
国産 牛バラカルビ焼用 スターゼン広域量販部 680 円 100 g 680 円
アメリカ 牛バラカルビ焼用 298 円 208 g 620 円
オーストラリア 牛モモ切落し 178 円 288 g 513 円
サザングレインビーフ オーストラリア 牛サーロインステーキ用 358 円 311 g 1113 円
オーストラリア 牛すねシチュー用 広告の品 159 円 514 g 817 円
四元豚シルキーポーク アメリカ 豚バラうす切り 広告の品 159 円 327 g 520 円
四元豚シルキーポーク アメリカ 豚糸巻き肩ロースブロック 広告の品 149 円 255 g 380 円
四元豚シルキーポーク アメリカ 豚ロースとんしゃぶ用 198 円 310 g 614 円
四元豚シルキーポーク アメリカ 豚肩ロースとんしゃぶ用 タイムサービス 168 円 222 g 373 円
四元豚シルキーポーク アメリカ 豚バラ薄切り 159 円 90 g 143 円
四元豚シルキーポーク アメリカ 豚ロース薄切り 188 円 191 g 359 円
イベリコ豚 スペイン 豚ローストポークステーキ 480 円 198 g 950 円
イベリコ豚 スペイン 豚肩ロースとんしゃぶ用 398 円 145 g 577 円
イベリコ豚 スペイン 豚肩ロース切落し(解凍) 358 円 100 g 358 円
平牧金華豚 山形 豚ロース薄切り 378 円 109 g 412 円
平牧金華豚 山形 豚バラスライス 358 円 122 g 437 円
平牧金華豚 山形 豚小間切落し 321 円 231 g 742 円
四元豚こくみ豚 国産 豚ロースとんしゃぶ用 388 円 219 g 850 円
四元豚こくみ豚 国産 豚小間切落し 208 円 225 g 468 円
かみふらのポーク 北海道 豚ロースステーキ・とんかつ用 298 円 115 g 343 円
栃木 豚肩ロースとんしゃぶ用 278 円 238 g 662 円
栃木 豚バラとんしゃぶ用 278 円 219 g 609 円
栃木 豚ももとんしゃぶ用 203 円 226 g 459 円
国産 豚バラ薄切り 228 円 112 g 255 円
栃木 豚小間切れ 128 円 226 g 289 円
陸奥鶏 岩手 鶏もも肉 105 円 599 g 629 円
陸奥鶏 岩手 鶏ムネ肉 78 円 377 g 294 円
奥州こくみ鶏 岩手 鶏もも肉 198 円 265 g 525 円
奥州こくみ鶏 岩手 鶏ムネ肉 138 円 283 g 391 円
名古屋コーチン 愛知 鶏もも肉 398 円 128 g 509 円
名古屋コーチン 愛知 鶏ムネ肉 321 円 163 g 523 円
国産 牛挽肉 228 円 123 g 280 円
国産 豚挽肉(解凍) 138 円 134 g 185 円
国産 牛豚挽肉(解凍) 198 円 131 g 259 円
ハムソー 0 円
セブンゴールド 金のロースハム 80 g 354 円
セブンゴールド 金のモモハム 75 g 354 円
セブンゴールド 金のウインナー(スモーク) 130 g 354 円
セブンゴールド 金のウインナー(ライトスモーク) 130 g 354 円
日本ハム シャブエッセン2個束 429 円
プリマハム 切落しショルダーベーコン 140 g 337 円
【西友】
すべてアウトパックで品揃えしているため、鮮度感がやや損なわれた印象がある。
品揃えは徹底してABC分析の「A」に寄った品揃えで、絞り込みが行われて、アウトパック出の販売で問題になるロス率軽減と、生産性の向上を重要視している。
ブランドを見てみると「黒毛和牛」と「鹿児島ポーク」、「みちのく鶏」の品揃えのみであった。
他のアイテムでは、通常の、「米国産、国産」表示の原料での商品化が行われている。
価格面では企業姿勢が出ている為、この地域では安価な設定になっている。
ブランド 産地 商品名 税抜 単価円/100g 量目 パック単価
国産 牛こまぎれ 川越食品流通センター 247 円 146 g 361 円
アメリカ 牛肩ロース切落し 川越食品流通センター 197 円 148 g 292 円
アメリカ 牛肩ロースステーキ用 川越食品流通センター 157 円 332 g 521 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛サーロインステーキ用 川越食品流通センター 1070 円 199 g 2129 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛ももステーキ用 川越食品流通センター 570 円 186 g 1060 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛バラカルビ焼肉用 川越食品流通センター 830 円 117 g 971 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛モモ焼肉用 川越食品流通センター 570 円 137 g 781 円
黒毛和牛 国産 黒毛和牛切落し 川越食品流通センター 377 円 112 g 422 円
鹿児島ポーク 鹿児島 豚ロース切落し ニチレイフレッシュPC 292 円 120 g 350 円
鹿児島ポーク 鹿児島 豚バラ切落し ニチレイフレッシュPC 240 円 200 g 480 円
鹿児島ポーク 鹿児島 豚ロースしゃぶしゃぶ用 ニチレイフレッシュPC 297 円 188 g 558 円
国産 豚ロースしゃぶしゃぶ用 ニチレイフレッシュPC 255 円 163 g 416 円
アメリカ 豚ロース切落し 川越食品流通センター 120 円 300 g 360 円
国産 豚ロース切落し 川越食品流通センター 187 円 219 g 410 円
国産 豚バラ切落し 川越食品流通センター 205 円 190 g 390 円
国産 豚バラ薄切り 川越食品流通センター 197 円 199 g 392 円
国産 豚小間切れ 川越食品流通センター 127 円 418 g 531 円
国産 豚ロース薄切り 川越食品流通センター 187 円 129 g 241 円
国産 若どりささみ500g袋 全農チキンフーズ 92 円 500 g 460 円
国産 若どりもも肉唐揚げ用500g袋 全農チキンフーズ 106 円 500 g 530 円
国産 若どりもも肉1kg 全農チキンフーズ 89 円 1000 g 890 円
国産 若どりむね肉1kg 全農チキンフーズ 45 円 1000 g 450 円
みちのく鶏 岩手 鶏ささみ ニチレイフレッシュPC 150 円 278 g 417 円
みちのく鶏 岩手 鶏手羽先 ニチレイフレッシュPC 117 円 270 g 316 円
みちのく鶏 岩手 鶏手羽元 ニチレイフレッシュPC 97 円 466 g 452 円
みちのく鶏 岩手 鶏もも肉切りこみ ニチレイフレッシュPC 170 円 230 g 390 円
国産 若どりムネ肉 川越食品流通センター 67 円 430 g 288 円
国産 若どりもも肉 川越食品流通センター 117 円 359 g 420 円
ブラジル 若どりもも肉切りこみ ニチレイフレッシュPC 104 円 270 g 280 円
国産 豚挽肉(解凍) 川越食品流通センター 115 円 366 g 421 円
牛輸入・豚国産 牛豚挽肉(解凍) 川越食品流通センター 117 円 221 g 259 円
ハムソー 0 円
日本ハム シャウエッセン2個束 376 円
日本ハム 彩りキッチンロースハム3連 250 円
伊藤ハム 朝のフレッシュロースハム3連 238 円
伊藤ハム 朝のフレッシュベーコン3連 238 円
【ライフ】
ライフはブランド訴求をほとんど行っていない。
そのため、西友との価格勝負となってしまう。
ヤオコーとの提携によってらくらく手料理アイテムやMD訴求を強めているが、既存店でヤオコースタイルを行うことに苦戦しているように思われる。
調査日は「より取りセール」を行っており、買い上げ点数を上げて売上UPを狙っていた。
ブランド 産地 商品名 税抜 単価円/100g 量目 パック単価
らくらく手料理 牛肉すき焼き蒸し レンチン 245 g 398 円
らくらく手料理 ロールキャベツの鶏ガラスープ仕立て レンチン 309 g 398 円
らくらく手料理 豚バラの金山寺味噌蒸し レンチン 250 g 398 円
黒毛和牛 国産 牛サーロインステーキ用 938 円 204 g 1914 円
黒毛和牛 国産 牛モモ焼肉用 648 円 107 g 693 円
黒毛和牛 国産 牛バラカルビ焼用 748 円 139 g 1040 円
黒毛和牛 国産 牛スネシチュー用 広告の品 298 円 136 g 405 円
黒毛和牛 国産 牛小間切れ 378 円 101 g 382 円
黒毛和牛 国産 牛肩ロース薄切り 848 円 130 g 1102 円
国産 牛ヒレステーキ用 718 円 89 g 639 円
国産 牛ランプステーキ用 398 円 176 g 700 円
国産 牛バラカルビ焼用 558 円 118 g 658 円
国産 牛ロースステーキ用 668 円 178 g 1189 円
国産 牛モモカタバラ切落し おすすめ品 308 円 228 g 702 円
国産 牛小間切れ 288 円 110 g 317 円
国産 牛スネシチュー用 広告の品 238 円 206 g 490 円
オーストラリア 牛ヒレステーキ用 498 円 228 g 1135 円
オーストラリア 牛サーロインステーキ用 おすすめ品 358 円 258 g 924 円
オーストラリア 牛肩ロース薄切り 広告の品 208 円 284 g 591 円
オーストラリア 牛小間切れ 188 円 233 g 438 円
オーストラリア 牛スネシチュー用 広告の品 178 円 232 g 413 円
黒豚 鹿児島 豚ロースしゃぶしゃぶ用 358 円 243 g 870 円
黒豚 鹿児島 豚ロース薄切り 348 円 158 g 550 円
黒豚 鹿児島 豚バラ薄切り 238 円 110 g 262 円
国産 豚ロースしゃぶしゃぶ用 おすすめ品 238 円 251 g 597 円
国産 豚ロース薄切り よりどり3P950 155 g 378 円
国産 豚肩ロース切落し よりどり3P950 185 g 378 円
国産 豚もも薄切り よりどり3P950 230 g 378 円
国産 豚バラ薄切り よりどり3P950 195 g 378 円
国産 豚小間切れ よりどり3P950 280 g 378 円
アメリカ 豚ロース切落し よりどり3P950 230 g 378 円
アメリカ 豚肩ロース切落し よりどり3P950 220 g 378 円
アメリカ 豚バラ切落し 188 円 165 g 310 円
純和赤鶏 岩手 赤鶏モモ肉 168 円 284 g 477 円
国産 若どりムネ肉 88 円 414 g 364 円
九州 若どりもも肉 148 円 339 g 502 円
ブラジル 若どりモモ肉(解凍) 広告の品 88 円 0 円
国産 牛豚挽肉(解凍含む) 広告の品 148 円 124 g 184 円
国産 豚挽肉(解凍含む) 138 円 222 g 306 円
ハムソー 0 円
伊藤ハム 朝のフレッシュロースハム4連 380 円
伊藤ハム 朝のフレッシュハーフベーコン4連 380 円
伊藤ハム グルメポークウインナー2個束 338 円
伊藤ハム グランドアルトバイエルン2個束 498 円
プリマハム 使い切りハーフベーコン3連 246 円
プリマハム 使い切りボンレスハム3連 284 円
日本ハム シャウエッセン2個束 570 円

店舗調査は、ここがポイント!

  1. 全体感から店舗のスタイルとターゲットを見極める まず精肉を遠目から見たときの印象が、店舗内装と、品揃え、がハイエンド向けか、ディスカウント向けかを見極める一つの基準となる。 ハイエンド向けであるとIY食品館のように、「松阪牛」が原木で寿司ネタ洋に使用する「ショーケース」に入っており、さながら高級精肉店を彷彿させる売場作りになっている。 ショーケースの下にある低多段では、ブランド牛ステーキが陳列されている。 通常のシステムトレーの他、折箱に入ったステーキは、ターゲットが低所得層でないことがわかる。この商品化は高級感を出すだけでなく売場にメリハリをつけている。 折箱商品はあえて和牛ではなく国産牛の赤城山麓牛を使用していることもポイントである。

    赤城山麓牛ロースステーキ用
  2. コーナー化が明確だと消費者は買いやすい!
    「ステーキコーナー、焼肉コーナー、しゃぶしゃぶコーナー」などしっかりと縦割り陳列されていると、消費者は商品が選びやすいので買いやすい。
    しゃぶしゃぶコーナーの中でも「四元豚シルキーポーク」や、「四元豚こくみ豚」などの銘柄豚を使ったしゃぶしゃぶだけでなく、人気の「イベリコ豚」も品揃えしていると、消費者も選ぶ楽しさが生まれる。
    コーナー化の中にもブランド、グレードのバリエーションがあるかどうかをチェックして、単にカテゴリ陳列された売場なのか、戦略的な売場なのかを見極めることもポイントとなる。
    差別化商品で「イベリコ豚」などは「金色トレー」で盛り付け、さらにイベリコシールが特に目に入るため差別化されていて、消費者にもわかりやすい。

    イベリコ豚肩ロースしゃぶしゃぶ用
  3. 季節のプロモーション
    季節によって中期季節プロモーションを店舗では行う。
    冬季は「鍋」を提案し、夏場は「焼肉やBBQ」を提案する。
    季節プロモーションをしっかりと行うことで、通常の売上+アルファの売上を作ることが出来るからである。
    競合店調査では、季節プロモーションの確認とアイテムのチェックを行う。
    冬季、関東圏では「豚ボイルゆでモツ」など大陳している店舗も多く見受けられる。
    全国的には鍋コーナーであれば「手作り鶏つみれ」の品揃えの他「ロールキャベツや牛すじ串」なども品揃えする。
    季節プロモーションコーナーではセット商品やキット商品が陳列される。
    ボリューム感のある鍋セットは、消費者の購買意欲を出すことが出来る。
    自社商品と競合店、大手量販店で扱われているセットアイテムのチェックで、自社の売場が魅力的かどうかを客観的にも観察することがポイントとなる。
    豚と鶏のお肉だけの素材セットはトレーにやや多めに盛られ、パックを持った時の重量感や見た目のボリューム感でお買い得感がある。

    豚鶏鍋セット
  4. 味付け肉・簡便フライパンコーナー
    多くの量販店で、味付け簡便コーナーが存在する。
    消費者の調理時間を短くする目的、料理をしない消費者に焼くだけ簡単に調理が出来るという事をアピールすることも目的である。
    そのため、味付け簡便コーナーは魅力的なアイテムが陳列されていなくてはならない。また、選択肢が多い方が消費者の食べたいアイテムがある可能性が高まる。
    食べたくなるような商品が売場に陳列されているか、競合店よりも魅力的なアイテムがあるかどうかをチェックする。
    その中でもしっかりと利益確保できる商品を展開しているかも、精肉担当者であればある程度想定できることと思う。そんな視点でも店舗調査すると面白い。
    ブラジル産もも肉を使用した、「バジルソテー焼き」は人気アイテムでもあり、利益確保商材でもある。展開方法や味付けのバリエーションなどを確認することもで、作業性なども想像することが出来る。
    簡便コーナーでは「サムギョプサル用」、「国産鶏ムネ肉のカツレツ用」、「トントロねぎ塩焼き用」など定番の品揃えも豊富にして、パック単価は押さえつつも、比較的高めの単価設定にしているため利益確保を着実に行っているかどうかもチェックポイントの一つである。

    豚プルコギ用
  5. 加工品コーナーも要チェック
    グロサリーなどと同様にメーカーの作るコンシューマ商品は品質が同じため価格勝負になってしまう。
    そのため、価格調査や多段の展開方法、月間特売商品などは把握しておく必要がある。
    最近では、差別化を行うためにPBを品ぞろえしている企業も多い。IY食品館ではセブンプレミアムやセブンゴールドを品ぞろえし競合店と差別化を図っている。特にセブンゴールド「金の○○」シリーズはコンビニでも販売され美味しいと人気アイテムとなっている。

    金の和風ハンバーグ

競合店をのぞき見

【西友】 
西友の精肉は中野ブロードウェイの地下というだけでなく、この周辺の商業集積の中では、一番奥の角地に位置することから、集客するには厳しい立地である。
売場作りはシンプルで、客導線に沿って「牛⇒豚⇒鶏⇒挽肉」の順に配置されている。
フルアウトパックの西友は必要最小限の売場でABC分析の売る筋アイテムの、「A」アイテムのみを品揃えするようなアイテム群となっている。


牛肩ロースステーキ

川越食品流通センターから納品されているアイテムである。トレーにやや余裕があるため、ややボリューム感に欠けるアイテムとなっている。


鹿児島ポークロースしゃぶしゃぶ用

シンプルに鹿児島ポークを打ち出しているが、売場全体では販促シールがほとんど使用されていないため、鹿児島ポークの差別化が出来ている。


ブラジル鶏もも味付け焼用

トマトソテーと変わった味付けで、競合には品揃えがない。味付け肉はブラジル産を使用することで安価な商品化を行っている。


牛豚ハンバーグ

豪州産牛+国産豚のハンバーグで200g200円。200gのため比較的大きく、200円と安価なため、売場でも目立っている。

【ライフ】 
ライフはヤオコーとの提携を期に、関連販売やレンチンアイテムを強化している。
売場は鮮魚側から牛豚鶏挽肉と続き、味付け簡便アイテム、加工品と定番の売場作り。
グロサリーエンドに平台が1本あり、ここは加工品とワインの関連販売、特売商品が陳列されヤオコーのワイン売り場を彷彿させる。
しかし、既存店でのクロス販売は什器や見栄えの観点から、難しさも感じられた。


国産牛ランプステーキ用

国産牛肉のランプを大胆に輪切りカットしたステーキ。輸入牛肉ではなく国産牛肉で商品化を行うことで、競合にはない迫力を出している。


豚しゃぶしゃぶセット

作業効率を追求した見た目のしゃぶしゃぶセット。国産豚肉とはいえ、780円は比較的高めの売価設定で購入するには、もう一工夫必要か。


和牛黒豚ハンバーグ

和牛と黒豚を使ったハンバーグで240g300円。西友のハンバーグは200g200円であるが、1つ150円で和牛黒豚ハンバーグが食べることが出いると思うと、ライフの方がお買い得。


牛プルコギ用

IYと同様に生刻みネギを使用したプルコギ。こちらは牛肉を使用しているが、700円台となると、消費者には厳しい価格設定である。

エリアでターゲットをうまく住み分ける

全体的にイトーヨーカドーは品揃えから価格設定まで、比較的高所得層をターゲットとしていることが伺える。
それは、精肉や生鮮だけでなく酒売場などを見ても言えることである。このように、エリアでターゲットをすみ分けることで競合店が競合店ではなくなるのである。
しかし、ブランドがやや多すぎて選択に困る売場になりつつあるのが懸念事項であるが、IYは用途別陳列で縦割りがしっかりしているので売場は比較的わかりやすい。ブランドと陳列をバランスよくすることが売場作りのポイントとなる。