精肉部門チェックテスト

問題1【接客】 選択肢
ステーキのオーダーカットを承った。
正しい選択肢はどれか
ロスを減らすため、売場からオーダーのお肉に近い商品を探して案内する
リピートしてもらえるように、提供するブランドの特徴を説明し、丁寧な商品化を行う
売上につなげるため、ハイグレードのブランドを紹介。少しでも脂肪を付けた状態で、利益に貢献する商品化を行う

解答:丁寧に商品化を行うことに加え、商品情報(ブランド、部位)を付加する。

オーダーカットはお客様との重要な接点である。

リピートしてもらえる店舗を目指すため、商品化だけでなく、商品情報を付加したカスタマサービスを行う。

特に、銘柄やブランドは、競合店と差別化できるポイントであるため、優位性が説明できるように知識を持っておかなくてはならない。

問題2【衛生管理】 選択肢
牛や豚、鶏などの家畜、ペット、野生動物などから感染し、腹痛、下痢、発熱(40度)、嘔吐の症状があらわれ、潜伏期間2日~7日の感染型の食中毒菌は何か。 サルモネラ属菌
カンピロバクター
セレウス菌

解答:カンピロバクター

予防のポイントとしては、熱や乾燥に弱いため、包丁やまな板は熱湯消毒し、乾燥させる。生肉と調理済みの肉類とは別々に保存し、生肉を取り扱ったあとは、充分に手指を洗浄することで、感染症を予防する。

特に5~6月、9~10月に多発する傾向にある。

問題3【法令】 選択肢
牛トレーサビリティー法について正しい選択肢はどれか 11桁の個体識別番号で生産履歴がわかる
「牛の情報の管理及び伝達に関する特別措置法」が正式名称
小売店で販売されている牛肉から、ランダムにDNA鑑定を実施している

解答:小売店で販売されている牛肉から、ランダムにDNA鑑定を実施している

国内で飼養される、原則、すべての牛(生体輸入された輸入牛を含む)に、10桁の個体識別番号が印字された耳標が装着され、性別や種別に加え、出生から、屠畜、飼養地などの情報がデータベースに記録され、量販店で販売されるまで1頭ずつ履歴を追うことが出来る。

と畜場ですべての枝肉から採取した照合用サンプルと小売店等で販売されている牛肉から採取した調査用サンプルとのDNA鑑定を実施している。

正式名称:「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」

個体識別番号は10桁

農水省「牛トレーサビリティ制度 卸売業者・小売店の皆様へ」

農水省「牛トレーサビリティ制度 卸売業者・小売店の皆様へ」

問題4【部門知識】 選択肢
A5等級で霜降りの黒毛和牛を仕入れた。次の対応で正しいのはどれか。 黒毛和牛 おおとろ牛 として販売
黒毛和牛 牛肉質等級「5」で販売
黒毛和牛 極上ステーキ で販売

解答:牛肉質等級「5」で販売

根拠のない商品優位性表示は禁止されている。特選、特上、極上などの品質等級表示、おおとろ、なかおちなどの他の食品に類似した品質表示は認められていない。

格付け機関の格付けデータである、牛肉質等級「5」や「A4」、豚肉質等級「極上」「上」など、またうまみ成分の一つである「オレイン酸含有量」測定データに基づき、オレイン酸55%含有等を示すことは問題ない。

参考:「お肉の表示ハンドブック2015」

参考:「お肉の表示ハンドブック2015」

問題5【部門知識】 選択肢
ラベルシールの商品名称と部位名表示で正しいものはどれか 国産牛カルビ焼用
米国産とんとろ焼肉用
豪州産牛そとももすき焼き用
参考:「お肉の表示ハンドブック2015」

参考:「お肉の表示ハンドブック2015」

 

問題6【商品在庫管理】 選択肢
バックヤードの冷蔵庫・冷凍庫管理で適切なものはどれか チルド肉の期限が近くなったので、マイナス20度以下の冷凍庫に入れて対応
仕置き商品は翌日日付にして販売しても問題はない
国産牛肉は個体識別番号も管理する

解答:国産牛肉は個体識別番号も管理する

仕入れられた国産牛肉の個体識別番号は間違いのないように、情報の管理・保管を行わなくてはならない。保存期間は1年ごとにとりまとめ、その後2年間である。

消費期限が近くなった原料を冷凍庫で保管しても、期限が延長されるわけではないので注意が必要。

温度帯変更による日付変更の場合は、試験機関などに依頼して、適正な検査に基づいた根拠が必要となる。

仕置き商品に関しては、加工日を記載する必要があるため、翌日の朝陳列する商品でも翌日の日付で値付けすることはできない。

 

問題7【売場作り】 選択肢
商品群の適正な構成比率や売場面積の配分のことを何と呼ぶか ストアコンパリゾン
スペース・アロケーション
プラノグラム

解答:スペース・アロケーション

売場のゾーニングや陳列器具、商品をどのように配置するか、客導線をうまく使い効果的なレイアウトを作り、売場面積を配分することをスペース・アロケーションと呼ぶ。
ストアコンパリゾン:競合店調査のこと。同業種または異業種の注目店舗などを観察し、その店舗の特徴や動向を調べること。

プラノグラム:棚割り。

来店客が買いやすいよう、商品を多く視野に入れるように、商品の容量、サイズ、販売POSデータに基づき、最適な陳列位置、フェイス数、陳列量の計画を立てること。

問題8【数値管理】 選択肢
原価6000円/kgの和牛サーロインが歩留り75%だった時の歩留り原価はいくらか 4500円/kg
7500円/kg
8000円/kg

解答:6000円÷75%=8000円

歩留り原価は、原料肉から脂肪や血管などを除いた可食部位のみを原価換算した金額を言う。計算式は、原価/歩留まり率 で計算される。

スーパーの精肉原料で歩留りが100%を超えることはないため(原料から脂肪などトリミングするため)、原価よりも安くなることはない。

また、原価×1.25という計算方法も間違い(この計算をする人は、25%少ない分を1.25倍しているらしいが、この計算方法は完全な間違い!)。値入計算、歩留り計算、商品回転率など、精肉に必要な数値計算は完璧にマスターしよう。

 

問題9【数値管理】 選択肢
売上高120万円、廃棄2万円、値引き4万円だった時の、ロス率は何%か。(ロスは廃棄、値引きのみとする) 5%
10%
20%

解答:(2+4)÷120×100=5%

ロス高÷売上高(実績)×100=ロス率(%)で計算される。

机上の値入計算ではロスが含まれないため、正確な数字は実績としてしか計算することが出来ない。

しかし、売価を決定する際には、過去のロス率などからあらかじめ想定されるロスを含んで値入計算すると、より実績に近い予測を立てることが出来る。

問題10【発注】 選択肢
精肉の発注で正しいものはどれか 在庫回転率を意識した発注
欠品しないために在庫は多目に持つ
発注の回数を減らすため大量発注する

解答:在庫回転率を意識した発注

在庫回転率が上がれば、商品の需要と供給のバランスを捉えて発注している状態と言える。在庫回転率が丁度1日で回っていると、日々発注した商品が毎日売り切れている完璧な状態であるが、チャンスロスも紙一重という状態である。

しかし、欠品しないために在庫を多く持つと、鮮度劣化の原因ともなり、棚卸時の粗利益にも影響するため、出来るだけ商品在庫は少ないことが好ましい。一度に大量発注を行い、発注の効率化を図ることは、一見、作業効率が上がり良いように思えるが、在庫回転率が上がり、常に売場に古い商品が並ぶことになるので、得策とは言えない。

在庫回転率は、店舗によって全く違うことは何店舗か経験したことのある担当者なら容易にわかることと思う。アウトパックが多い店舗だと、1.2~1.5日程度、フルインストアの店舗で、2~3日前後以上となる。これは発注頻度や、売れる畜種によって違う。

鶏肉だと毎日発注で毎日商品が入れ替わるため、アウトパック同様に1.2~1.5日で回転するが、牛肉は半頭セットで購入する店舗だと5~7日で回転することも少なくない。それぞれの店舗の発注形態に見合った適正な在庫回転率を見つけることも重要である。

2年目以降の仕事の取り組み方

1年目では机上の数値計算の反復練習をしっかりとマスターし、2年目以降で実践での数値検証とより正確な発注や利益確保につなげていく。

基礎が出来ていない段階で次のステップに進むことは、掛け算や割り算が出来ない状態で百分率を勉強するの小学生と同じ状態である。

まずは、机上の値入計算、粗利益計算、歩留り計算、ロスを把握し、店舗の棚卸時に出てくる売上高、在庫、ロスなどと照らし合わせて勉強することが重要である。

実務の面では1年目が終了した時点で鶏肉の商品化、挽肉の商品化、豚肉の整形や一部商品化が完璧に仕上がっていれば、次のステップに入ることが出来る。

発注では加工品やタレ、餃子の皮、資材関係の発注をある程度出来るようになっていることが望ましい。

2年目に入ると新入社員が入ってくるため、教える立場となるが、段取りの良い新入社員だとすぐに技術なども抜かれてしまうので、2年目以降も勉強に加え、実務でも気を抜かずに学習していかなくてはならない。