多様なバーベキュースタイルを訴求

バーベキューは手軽に楽しめるスポットが増え、とても身近な存在になりつつある。いつも同じ調理方法ではなく、参加者や目的に応じて肉の種類を変えたり、サイドメニューを充実させたりするなど、楽しみ方も様々だ。そうしたバーベキューの価値をどのように訴求し、売り場の活性化につなげればいいか。

大人向け フレンチバーベキュー

バーベキューは身近な料理として浸透しつつある。最近では「手ぶらでバ ーベキュー」などと銘打ち、必要な食材や機材をそろえたスポットが拡大。バーベキューを行うハードルを下げるきっかけとなった。今やバーベキューは、居酒屋や焼肉店と同じように、仕事帰りの会社員や女子会、学生などが気軽に楽しむ「コミュニケーションの場」として定着しつつある。

バーベキューのスタイルは多様だ。例えば米国や豪州だけでなく、欧州でも自宅や庭先、公園などで気軽にバーベキューを楽しむ文化がある。メインの肉や海鮮物を焼く前にサイドメニュ ーを食べ、ワインと一緒にアペタイザ ー(前菜)を食べながら会話を楽しむスタイルだ。「おしゃれバーベキュー」「フレンチバーベキュー」などと呼ばれる。

これまで量販店でのバーベキュー提案は、ブロック肉やバーベキュー・焼き肉用の肉の提案が中心で、サイドメニューの提案は少なかった。バーベキ ューにそうした提案を加えることで、プラスアルファの売り上げが期待できる。

アペタイザーは簡単なオードブルやカナッペ、イタリアのピンチョスなどをイメージすると分かりやすい。加工品コーナーの生ハムはチーズやクラッカーなどと合わせて販売し、レバーペ ーストやコンビーフはフランスパン、エキストラバージンオリーブオイルなどと関連販売すると用途が明確になる。ワインやスパークリングワインなども品ぞろえし、フレンチを意識した売り場づくりを行うと良い。

焼き物を準備しながら、食前酒とアペタイザーでじっくり楽しむ。フレンチバーベキューでは食器やテーブルコ ーディネート、雰囲気づくりに役立つアイテムも欠かせない。

フレンチバーベキューに使う肉は、おしゃれなラムロースや、じっくり低温調理のローストビーフがお薦めだ。

ラム肉は特有の香りがあるが、庭先やアウトドアでの調理なら部屋に香りが残ることもない。味付けしていない商品に加え、香草焼き用やスパイス焼き用の味付け商品も品ぞろえしたい。

ローストビーフは低温でじっくり長時間加熱すると、内部がロゼ色になりジューシーに仕上がる。部位は和牛なら比較的安価な内モモを使用。米国産ならプライムやアンガスのストリップロイン、ランプ、トップラウンド、ナ ックルなどを使い、割安感とボリューム感を出したい。

ミートオードブルセットの例

ミートオードブルセットの例

豪州産生ラム骨付きロースステーキ用

豪州産生ラム骨付きロースステーキ用

家族向け スマイルバーベキュー

家族向けのバーベキューでは、全力で楽しめる企画を用意。豪快なバーベキューを提案し、「スマイルバーベキュ ー」を実現してもらう。

えば塊肉や厚切りステーキを焼くと、大人も子どもも喜ぶ。米国産牛のチャックフラップを使用して厚切りステーキを提案し、焼いた後にキッチンバサミでカットして食べてもらう。写真映えするので、交流サイト(SNS)への投稿も盛り上がるだろう。

厚切りステーキ提案では、チャックロールを使用した牛肩ロースジャンボステーキや、ストリップロインを使用した定番の牛サーロインステーキも一緒に売り場をつくる。たれは、あえて焼き肉のたれを提案。野菜などにも良くなじみ、ステーキソースとは一味違 った味わいを楽しめる。

快なバーベキューといえば骨付き肉も定番だ。若鶏の骨付きモモを品ぞろえすることで売り場にもボリューム感が出る。骨付きモモは骨の周囲まで火が通りにくいので、骨に沿って切り込みを入れておくのがポイントだ。ロ ーズマリーやスパイスを付けて販売すると良い。

家族向けバーベキューでは、子どもの好きな食材をメニューに加えるのもポイントだ。ソーセージやフランクフルトは必須アイテム。野菜ではスイートコーン、デザートではマシュマロを関連販売したい。

通常はハンバーグ用として販売している手作りハンバーグとバンズ、チーズを関連販売し、ハンバーガー提案を行うのも面白い。本場米国のように、牛100%ひき肉のパティを品ぞろえすると本格的だ。

肉に関する知識や調理器具の使い方などを親が子どもに教えられるように、売り場にコトPOP(店頭販促)を掲示しておくのも効果的だろう。

米国産牛肩ロースザブトンステーキ用

米国産牛肩ロースザブトンステーキ用

国産若鶏骨付きモモ

国産若鶏骨付きモモ

バーガーパティの提案も面白い

バーガーパティの提案も面白い