ベイシア前橋小田島店
精肉 多段ケース117尺+平ケース72尺+グローサラント売り場

「精肉のMD」とは、素材原料である食肉を、料理が出来る状態の精肉に加工し、料理という完成品までの加工ステージに応じたアイテムを提供することにある。

料理は完成品なので、これは「惣菜」という部門が担当しているので、ここに精肉部門が関与することは今まではなかった。

しかし、売り場の「グローサラント化」で、精肉のMDが完成品の料理までを担当する方向にある。

販売している精肉をお客様が購入し、其れを料理にするのだから、その素材の美味しさを最大に提供できる「専門店の味」の料理を実現できるのが、担当の精肉担当者であるからだ。

ベイシア前橋小田島店は、従来の精肉マーチャンダイジングを、ハードディスカウント的な素材提供から、加工ステージごとのカテゴリーを強化し、デリカテッセンの総菜コーナーで、完成品を提供する。という新しい取り組みを積極的にすすめている。

アイテム絞り込みと大容量、アウトパック活用でのハードディスカウト

ベイシア前橋小田島店は、売り場の奥、壁面全部を精肉売り場が占めている。

売り場尺数も多く、接客面も広い売り場で、精肉への期待と力の入れようが分かる売り場だ。

平ケースも広く展開し、買い回りもよい売り場になっている。

 

トップエンドの平ケースでは、「US産豚ローススライスジャンボパック100g98円」で、大容量パックを特売し、「パパッとシェフ」コーナーで、味付などの、簡単調理のアイテムを展開している。

「お箸で食べるガーリックカットステーキ300g580円」は、US産チャックアイロールを一p口サイズにカットして味付したもの。ベイシア前橋小田島店加工。

「名物 牛プルコギ味付焼肉(甘口)小 100g148円」は、US産ショートプレートを甘口に味付したもので、丸大食品のミートサプライ草加工場からのアウトパック。

「ガーリックペッパーポークステーキ 100g90円」は、US産ピクニックショルダーを味付した、㈱ベイシア前橋プロセスセンターからの供給である。

店内加工と、外部のアウトパックをうまく取り入れて生産性の高い売り場を作ろうとしているのが良くわかる。

ベイシア前橋プロセスセンターからのアウトパックでの供給のチキンステーキ

ベイシア前橋プロセスセンターからのアウトパックでの供給のチキンステーキ

ミートサプライ草加工場からの牛プルコギのアウトパック

ミートサプライ草加工場からの牛プルコギのアウトパック

店内加工の牛ガーリック一口ステーキ

店内加工の牛ガーリック一口ステーキ

また、反対の平ケースでは、

「若鶏チキンステーキ用(タンドリー味)100g98円」

「若鶏チキンステーキ用(バジル味)100g98円」

と、100円以内の味付のかんたん手軽に調理できるステーキアイテムを前橋プロセスセンターから導入している。

「国産黄金生姜使用 豚ロース生姜焼き用 100g158円」と、「牛プルコギ味付け焼肉用 420g554円(税込み598円)」は、ミートサプライ草加工場からのアウトパックで対応している。またモランボンの何でも巻ける「手巻きの皮」と合わせて販売し、プルコギや味付焼肉の新しい提案をかかげている。

40尺多段ケースで牛肉の定番を展開

作業場内が見える壁面のセミ多段で展開するコーナーは40尺もあり、ここでベイシアの定番アイテムの展開をしている。

ベイシア指定農場からの交雑種である「みちのく奥州牛」や、国産牛肉を店内加工して提供している。

みちのく奥州牛 サーロインステーキ用100g798円

 国産牛肉カタロースステーキ用 100g598円

でステーキコーナーから国産牛コーナーが展開されていた。

「岩手産国産銘柄牛手切り肩カルビ焼き肉用 100g598円」

 「岩手産国産銘柄牛バラカルビ焼き肉用 100g498円」

と焼肉のコーナーが続いていたが、「肩」はカルビ表示できないので注意してほしい。

「宮城県産国産牛肉肩ロースうす切り 100g598円

 「岩手県産国産牛 こま切れ 100g298円」

と、「国産牛肉 角切りシチュー用」で、少ないSKUではあるが、鮮度よく国産で売り込む商品が明確で、買い物しやすい品ぞろえになっている。

続いて、オージービーフの「モモブロック、モモステーキ用」を100g128円で、4尺上下2段で展開。

「鉄で元気!」、「オージービーフで元気!」のSPシールを貼っている。

安さはPOPで「激安」を強調し、コーナーごとのコンセプトを分かってもらえるように強調している。

ベイシア前橋小田島店では、「シール。パネル、POP」の使い方がお客の興味を大きく引いている。使い方が上手い。

 

ベイシア厳選「グラックアンガスビーフコーナー」では、US産のクオリテイーが高い商品を取り扱い、「肩ロースのステーキ100g198円」、ショートプレートの「バラ焼肉用 100g158円」などの、量販するアイテムと、焼き肉の盛り合わせや、「牛タンスライス100g580円」など、焼肉中心で展開していた。

ブラックアンガスの「こま切れ」は、100g148円と、これも、マグネットアイテムになる。

 

「冷しゃぶ用US産豚ロース100g98円」、「冷しゃぶ用 US産バラスライス 100g128円」など、単品量販をするものは前橋プロセスセンターからの供給になっている。

「トンテキ、豚ロースかつ」など、国産は100g148円で、US産は100g98円で激安価格で、40尺の最終は、US産バラ野菜炒め用100g98円、US産ピクニックショルダーで、「豚こま切れ100g78円」。

アウトパックをうまく活用し、店内加工を組み合わせ、SKUを減らし、生産性を高めることでハードディスカウントを実現させている。

業者向け、「大容量はお買い得コーナー」の展開

平ケース展開している、「大容量はお買い得コーナー」は、アイテムを絞って、価格訴求をしている。

加工肉では、

高碕ハム 700g 赤ウィンナー 534円

銀河ハム 700g JAS上級ポークウィンナー 880円

伊藤ハムディリー 業務用ベーコン500g 580円

伊藤ハムディリー 業務用ロースハム 500g580円

最近、店舗が増えてきている「業務スーパー」の開発アイテムなども取り入れている。

また、原料肉では、業務用の業者向けに、

US産バラ(シートベリー) 100g88円

US産ロース(バックス) 100g78円

国産豚ロース 100g108円

国産豚肩ロース 100g108円

国産豚バラ 100g108円

と、16尺でボリューム陳列をしている。

豚肉、鶏肉定番コーナーと、「MEAT&vegetable」の展開

豚肉の多段ケースは23尺あり、「和豚もちぶた」の定番と、国産豚肉。豚の内臓のタン、はつ、レバーや、味付ホルモンは村上食品からのアウトパックで対応している。また、群馬名物の「もつ煮」の品ぞろえが充実した「ホルモンコーナー」と、焼きもの、煮込みもの品揃えが充実している。

鶏肉とミンチのコーナーは20尺であるが、「肉と、一緒に野菜も食べよう」「簡単便利な美味しい一皿」のコンセプトで、「MEAT & vegetable」の新しいコーナーを設けている。

これも、時短メニューで、トレイのシールに調理方法と、調理時間を明示している。

また、電子レジ対応のトレイで、簡単にできる肉と野菜の時短お手軽メニューの「電子レンジ対応提案」も充実させている。

 

冷凍は、6尺のディアルケースで、肉コロッケや、ジンギシカンの味付、など、プライパンメニューと、フライメニューを中心に品ぞろえしている。

加工肉は、28社の多段で定番と下段ではスポット特売で「激安」で販売している。

しかし、「減塩」や「無塩漬加工肉」もコーナー化して展開している。

また、ベイシア全体のテーマである、野菜を1日350g食べるための提案「大好き、350サラダスタイル」として、「サラダチキン」のコーナーを3尺取っている。

PBの加工肉も、メーカーとのタイアップで品質を下げずに容量UPで価格を打ち出している。

精肉のグローサラント

精肉の担当者が、「DELICATESSEN」のバックヤードで、肉総菜や、弁当などを製造し、鮮魚などの総菜とともに集合展開で販売している。

「パパッとシェフ」コーナーで販売している「牛味付けプルコギ(甘口)」を使った、

「ベイシア名物 牛プルコギ重 1P 498円」

「和豚もちぶたの生姜焼き重 1P 398円」

「ブラックアンガスの焼き肉重 1P 498円」

「黒毛和牛の牛めし重 1P 598円」

「お肉屋さんの国産ステーキ重 1P 698円」

など、総菜部門では出せない選択の幅の多いお肉のお重を提供している。

黒毛和牛の牛めし重(ミニ)1P 398円

黒毛和牛の牛めし重(ミニ)1P 398円

「Meat Delica」のシールが貼っているのは、精肉担当者が、実際にバックヤードで作っているアイテムになっている。

ただ、精肉売り場の中で展開していないので、精肉とグローサラント化した商品との連動性が薄く感じる。

せっかくの、精肉からのお肉の総菜や弁当の提案ですから、精肉と連動した惣菜類であることを強調してほしいと思う。

店内手作り牛ミルフィーズ串カツ 1本198円

店内手作り牛ミルフィーズ串カツ 1本198円

「お肉屋さん自慢の手作り爆弾メンチカツ1ケ198円」や、ミルフィーユカツなど、精肉担当者らしいフライものも商品化しているので、惣菜とダブらないアイテムの展開が必要。

素材へのこだわりとか、容量や、パッケージ、POPでの打ち出しをもっと、「お肉屋さん」らしい積極展開をしてほしい。

ベイシアの「サラダスタイル350」、1日350gの野菜が必要。という統一コンセプトで集合陳列している、お肉のサラダコーナー。

メインは、「ローストビーフ」で、ローストビーフを中心にサラダや、豚肉・鶏肉・生ハムなど、おつまみを展開している。

ここも、精肉の担当者が商品化して提供しているという所の打ち出し方をもっとすれば、商品とお客様の距離がもっと近づいていくはずである。

グローサラント化は、精肉の担当者と、担当者が作るアイテムと、それを料理して食べて頂いている消費者との距離をずっと、近かずけられる、身近に感じて頂ける良いツールでもある。