6月に売込むこの商品

【牛肉】

国産黒毛和牛シンタマ(モモ)希少部位焼肉セット 780円/100g

1部位から小割して希少部位焼肉セットを販売する。
「シンタマ」は「トモサンカク、シンシン、カメノコ、マルカワ」に分割されるため、希少部位として知られる小割部位を焼肉用にカットして商品化していく。
1つの部位から様々な小割部位を作るメリットはたくさんある。
1真空パックを開封するだけで様々なサシや食感の小割部位が出来るため、単品での希少部位販売だけでなく、今回のようなセットでの商品化が可能となる。
見た目と食感の異なる商品が1部位から作ることが出来るのは面白い。
価格は、同じシンタマから商品化をしているため、シンタマのユニット単価で販売することが出来る。
ラベル表示では、シンタマの部位表示は「モモ」となるため注意が必要であるが、部位札ででは「シンシン」や「カメノコ」など希少部位の札を入れることで価値が出る。
シンタマの中で、マルカワは焼肉用出商品化するには、形が不揃いになってしまうため、サイコロステーキなど別の商品化で展開すると良い。
シンタマ意外にも、ランイチ、ウデ、肩ロースなど、サシや肉質が異なる小割部位が出る部位を使用して、日によって開封する部位を変えて展開するとバリエーションも広がる。

国産牛イチボ(モモ)しゃぶしゃぶ用 680円/100g

「ランイチ」を小割すると「イチボ」部分を分割することが出来る。
「イチボ」は希少部位として焼肉用にも商品化することが出来るが、「外もも」につながる太い部分は肉質が硬めのため、しゃぶしゃぶ用に薄切りして、冷しゃぶや蒸ししゃぶ提案を行なう。
ごまだれやぽん酢で食べるメニュー提案を行なうと良い。
 また、焼肉屋でも提供されるようになってきている、さっと炙る程度に焼いたお肉にネギ塩や薄切りスライスネギを包んで食べたりする食べ方も、家庭で食べる楽しみ方として紹介したい。
 「牛しゃぶしゃぶ」は、この時期あまり売れないので商品化しない店舗も増えているが、家庭で食べる食べ方提案が出来る従業員が減っているのも、売れない原因の一つであると考えられる。
店頭に並んでいる商品の、調理方法やトレンドの食べ方、外食で流行っている食べ方も勉強して、提案をすると良い。

【豚肉】

国産銘柄豚モモ手切り焼肉用 238円/100g

店舗で使用している銘柄豚肉の内ももを使用して手切り焼肉を販売する。
脂肪分が少なくヘルシーなイメージのあるモモ肉であるが、反面、硬いという印象も持った消費者も多い。
しかし、焼きすぎなければしっとりと美味しく食べることが出来る部位でもあるため、定番の豚バラ、豚肩ロースに加えて、豚モモ焼肉も販売していく。
商品化で最適な部位は、豚の「ウチモモ」部分や「シンタマ」部分である。
豚モモ一口カツ用で、ウチモモを小割している店舗もあるため、その小割した内ももで、焼肉用の商品化を行なう。
 牛肉の価格が高いこともあり、豚焼肉や鶏焼肉の需要が高まっている。特に豚肉は焼肉への商品化も容易で、価格も安価なため購買にもつながりやすい。焼肉の品揃えで展開していきたい。

【おつまみ】

串なし焼鳥セット(ぼんじり、レバー、砂肝)480円/P

おつまみカテゴリで売上を伸ばしているのが、焼鳥(串なし)である。
焼き上げの焼鳥の部位が以前に比べてバリエーションが増えたことや、七味唐辛子や味噌だれ、スパイスなど、小袋の調味料の種類も増えたことが大きな要因と考えられる。
特に、唐辛子系は、トレンドになっており、カップ麺やお菓子などでも激辛が流行っているため、調味料として添付すると売上につながる。
 ミート惣菜で、店内加工でおつまみ商材を製造している場合、余剰になりやすい鶏内臓を上手く活用すると良い。
特に、「レバー、砂肝」は、販売量が少ないアイテムで、余剰となりやすいが、売れると利益になる。そのため、「ぼんじり」や「ヤゲン軟骨」などの焼鳥好きには欠かせない人気部位と一緒に調理してセット販売すると良い。
 食べ方提案では、小袋のタレや七味唐辛子だけでなく、「タレアイテム+卵黄」や「塩焼鳥+柚子胡椒」、「明太マヨ、チーズマヨ」など、居酒屋の味変提案は面白みが増す。

ミートミックスブーム到来

一時期に比べると畜肉全的な相場は落ち着き始めているが、今の日本経済から考えると、お肉の価格は高い状態と言える。
世界的には日本は物価が安い国として定着し始めているが、日本国内の所得や環境は今も厳しい状態が続いている。
 そのような環境下で、昨年の家計調査の結果を見てみると、消費支出全体としては104.2%に増加しているが、生鮮肉に関しては100.0%に留まっている。
中でも注目すべき点は、牛肉で、金額ベースで96.3%と大幅に減少していることが数字として表れている。
その分を、豚肉と鶏肉で補っているという状態であった。
輸入牛肉の仕入れが困難な環境になり、鳥インフルエンザの影響なども大きく金額には影響したと考えられるが、それでも牛肉の金額が大きく減ってしまっている。

家計調査消費支出金額(二人以上の世帯、年次)単位:金額

2020年2021年2022年
品目分類令和2年令和3年令和4年前年比
消費支出3,335,1133,348,2873,490,384104.2%
肉類99,07296,77696,65499.9%
生鮮肉79,94978,22878,258100.0%
牛肉23,67723,21022,35596.3%
豚肉32,86131,89232,487101.9%
鶏肉17,28116,91617,372102.7%
家計調査消費支出金額(二人以上の世帯、年次)単位:金額

出典:総務省統計局「家計調査・家計支出編」より作成

https://www.e-stat.go.jp/

国産牛肉に関しては、生産事業を急に止めることも出来ないため、和牛や国産牛が市場に相場よりも安価に出回ることもあるが、事業としては極めて危険な状態と言える。
市場に牛肉が出回らなかった場合、最初に出荷を一時的に遅らせる。
遅らせると、生産コストは上がり、牛は増体する。増体すれば、当然ながら重量が重くなり、さらに等級が高い牛が出来てしまう。
できるだけ、農場に牛を長期間おかないように、流通全体で努力をしていく必要があると考えられる。
和牛を安く販売するミックスマッチを提案する。
近年、一つのトレーの中に2つのグレードや畜種の商品を混ぜて販売することが増えている。
上位グレードの商品を安く販売する、または、安いグレードのものを高く販売する手法で、どちらにしても、今まで販売していなかった商品のため、リプライスするには良いタイミングである。

国産牛切り落し(黒毛和牛、国産牛)398円/100g

黒毛和牛と国産牛をミックスした切り落しで、和牛は安く国産牛は高く販売することが出来る。
ラベルシールの表示は国産牛としなければならないが、内容表示で、(黒毛和牛、国産牛)など表示することで、入っているものが何かを示すことができる。
 夏場に向けては、鉄板焼き用や焼肉用でのメニュー提案も良いが、「牛肉しゃぶしゃぶ」も、売上を少しずつ伸ばしている傾向にあるため、「薄切りでしゃぶしゃぶ」提案も良い。
夏場の「冷しゃぶ」で、豚と一緒にごまだれやぽん酢で食べる提案が売上には寄与する。

そとごはん「肉串」売場

新型コロナによって精肉の冷凍コーナーが充実した。
その一つが、肉串カテゴリで焼鳥串だけでなく「牛串」や「BBQ串」、なども充実してきている。
工場の稼働が著しく低下していたコロナ禍では、焼鳥串の生串を安定的に生産することが出来なかったため、真空冷凍の焼鳥串が生産され始めた。
冷凍技術が急速に進化したことや、真空パックが出来る工場が多くなったこともあり、一気に冷凍肉串が多くの店舗で販売されることとなった。
最近では牛串、「BBQ串」など牛肉カテゴリの串も多く製造されるようになり、品揃えが豊富になっている。

米国産牛ハラミ串(冷凍) 1280円/5本

食シーンとしては、コロナ禍ではインドアである「うちごはん」であったが、今後はアウトドアである「そとごはん」が主となってくる。
すでに、SNSではコロナ禍から「ソロキャンプ」がブームになっているが、ここからは通常のグループキャンプが一気に加速すると想定される。
キャンプ需要では冷凍串が重宝する。
家を出るときに冷凍庫から自然解凍が始まり、調理をするタイミングで丁度解凍されている。
チルド商品は鮮度維持が難しく保冷剤などで鮮度を保つ必要があり、余分な荷物が増えてしまう。冷凍商材の方が、都合が良いということである。
売場作りとしては、冷凍平台や冷凍ショーケースで、肉串コーナーを作り集合陳列をすることである。骨付き肉やジンギスカンなど焼商材が揃っていると、より充実した売場になる。

品揃えを充実させる売場作り

昨今、新型コロナにはじまり、ウクライナ情勢、鳥インフルエンザなど、精肉相場を外部環境が大きく揺れ動かしている。特に鳥インフルエンザの影響は、かつて無いほどに大きく影響しており、通常の流通量に戻るまで1年程度必要とも予測されている。
調達が不安定な時には、多くの企業から仕入れを行なうことで、リスクヘッジを行なうことが出来る。
今までは仕入れ企業を減らすことで、自社のブランド肉の育成を行なうことが売上と利益につながる手段として採用されてきた。
しかし、1社購買による弊害は、鳥インフルエンザのような疾病がおこった場合、たちまち仕入れが出来なくなってしまう事である。
多くの企業から仕入れを行なっていれば、1社から仕入れが出来なくなっても、欠品のリスクが軽減されるコトになる。
ブランドを増やすということではなく、品揃えやカテゴリを増やして、充実した売場作りをすることで、消費者にも選ぶ楽しさを提供することができる。
今年の夏に向けてのキーワードは、「品揃え」と「そとごはん」である。ある程度ブランディングされた売場作りの中で、競合よりも楽しい「品揃え」、インドア、アウトドアに使える、「そとごはん」メニューの展開で売場を充実させたい。