8月に売込むこの商品

空前のキャンプブームが到来している。
コロナ禍はお家でキャンプという、ウチナカ需要でキャンプギアが各家庭で揃っているため、今年はそのキャンプギアを使って、本格キャンプを楽しむ家族やグループが増えている。
また、キャンピングカーを街中でもよく見かけるようになったのも、外出をする機会が増えたと言うこと他ならない。
一方で、全国的に普及してきている冷凍自販機、最近では「お肉自販機」も増え、アウトドアアイテムなどの品揃えが充実している場合もある。
「お肉の冷凍自販機」も、焼き材を中心に、味付け肉をはじめ売れている。
冷凍技術や販売形態の多様化により、お肉は量販店や精肉店で購入しなくても、自販機やネットでも購入出来る時代になっている。
量販店で購入してもらうメリット、チルドで販売出来るというメリットなどもしっかりと打ち出して展開していく必要性が、今まで以上に出てきている。

【牛肉】

【牛肉】
豪州産アンガスビーフサーロイン1ポンドステーキ 1580円/454g

ステーキ屋やレストランでもしばしば目にするようになった1ポンドステーキを、精肉でも販売していく。1ポンド = 453.6gであるため、定額販売のときは、454g以上にカットをしてそろえる。
ユニットで販売する場合は、1ポンド前後にカットして展開するとよい。
グレードはアンガスビーフなど、美味しさにもこだわることで、リピートにつながる。
特に「1ポンドステーキ」は、厚みがかなりあるため、アウトドア・BBQ需要としても人気アイテムとなる。
1パック2パックで1フェイス展開ではなく、インドアでも、アウトドアでも使えるアイテムとして厚切りステーキと一緒にフェイス取りしていく。
厚切りステーキは焼き方が難しい。
消費者の上手く焼けるかわからないという、不安要素を取り除くため、焼き方POPや販促動画を上手く活用していく。
厚みによっては、中心まで火が通りにくいため、加熱時間と保温する休憩時間を繰り返すように促すと良い。

出典:MLAオージー・ビーフ&ラム販促ツールオーダーサイト
https://trueaussie-tools.jp/products/detail/532
国産牛中落ち1本カルビ(バラ) 598円/100g

定番焼肉でもアウトドアでも楽しめる中落ち1本カルビを販売する。
セットで仕入れしている場合は、ばら山のパックになっている場合もあるが、パーツの場合は、ばら山が付いている部位を使用した際に商品化する。
商品化は、骨肌除去、残骨の確認をした後、薄皮を剥がし、余分な脂肪除去、隠し包丁を入れる。
サイコロ状にカットするのも良いが、1本で販売することで、アウトドアでも楽しめる商品となる。
部位としては、肋間筋のため筋繊維が入り組んでいて、やや脂肪が多い。そのため、丁寧な商品化が大切である。
 味付け商品へのバリエーションも増やすことが可能であれば展開したい。
山賊焼、スパイスや玉葱ソースなど酵素入りのタレでアイテムを増やすことで、日常の夕食にも使うことが出来るアイテムとなる。

国産豚粗挽き挽肉使用キーマカレーの素(味付け) 480円/380g

豚粗挽き肉とカレースパイス、ミックスベジタブルで商品化したキーマカレーの素材を販売する。
ご飯と混ぜて焼くだけでキーマカレーが完成する、完全時短メニューである。アウトドアでも使える商品である。
アウトドアと言えばカレーという時代は30年前で、今はキャンプ飯が家庭料理よりも進化している。
そして簡単に作れるメニュー、今まで時短メニューというカテゴリで販売していたものは、すでにキャンプ飯に導入されている。
お米は現地で炊いて、一緒に混ぜ合わせて焼くと、キャンプ飯のキーマカレーが完成する。
味付け商材は、そのまま焼いて食べる商材から、素材の一部へと進化を遂げている。
特にご飯と混ぜて焼くコトで、夕食の定番主食メニューへの参入を果たしている。おかずカテゴリから主食提案が出来ることで、リピートにつながる商品となる。

国産銘柄鶏手羽中ハーフ味付け(やみつきスパイス) 480円/330g

手羽中ハーフの味付けを販売する。鶏肉味付け商材というと、モモ切り身やムネ肉、手羽元が一般的であるが、手羽中も味付け商材として活用出来る。
やみつきスパイスは羊名人同様にリピートの多いスパイスとなっている。見た目は辛そうであるが、比較的子どもにも食べやすいということで、小学生がいるファミリーでもリピートにつながっている商品となっている。
また、調理方法は、油をひいたフライパンで焼き上げるだけで、簡単におかずが一品仕上がる。
味付けコーナーのバリエーションが大幅に増える中、同じモモやムネでの味違い商品を展開するだけではなく、部位を増やすことで、前にも食べたような印象が消える。
最近では、砂肝やレバーなどもうまく商品化している企業もあり、売りにくい副産物の展開方法として一つのスキームが出来上がってきている。

一工夫してミート惣菜を攻める

国産豚メンチカツ240円/個

豚メンチカツを「塩ぽん酢」で食べる提案を行なう。
定番で販売している商品も一工夫することで、全く印象の異なるメニューに早変わりする。
メンチカツは、ミート惣菜の人気メニューの一つである。ボール型や俵型、コロッケ型など様々な形状の変化は各社オリジナリティが出てきている。
食べ方としては、今までと同様そのまま食べるだけでなく、ソースをつけて食べてもらうなど定番である。しかし、塩ぽん酢で食べることで、メンチカツが、さっぱりとあっさりとしたメニューに早変わりする。
京都ではホルモンや焼肉を出汁で洗って食べる、「洗い出汁」という文化があり、はじめ出汁にお肉をくぐらせることに違和感があるが、実際食べてみると、かなり食べやすいことに驚く。
同様にメンチカツを塩ぽん酢で食べることで、新たなメンチカツの魅力に遭遇する。

ミート惣菜の売り上げの伸びが落ち着き、安定期に入ってきている。
「フライ商品、グリル商品、煮込み商品、おつまみ商品」と仕入れがある程度安定して売上を作れるようになったということである。
次のステップでは、商品の改廃とともに、売れる商品をさらに売れる体制作りとなる。
その一つの手段が、「味変、トッピング」といた、商品を変更せず、何かを加えることで、さにら魅力を伸ばすことである。
売れ筋のひとつに、「とんかつ」がある。
「とんかつ屋」では「ごま」を擂ってソースと合わせて食べる。
名古屋では「味噌煮込み」にしたカツが一般的で、とんかつとは、また違った魅力がある。
味を楽しんでもらいたいとんかつは、「塩」で食べさせる外食も存在する。
とんかつも、通常の商品だけでなく、味噌煮込みにアレンジさせることなども、さらに売れる商品に変化させる工夫である。
添付ダレ、添付ソースでの対応だけでも、消費者の反応は変わってくるため、オリジナルの食べ方を提案するのも面白い。

キャンプが招く精肉需要

昔からキャンプやアウトドアは人気のアクティビティの一つであったが、年に1度の一大イベントのイメージであった。
しかし、近年のキャンプブームで、キャンプギアが充実し、その手軽さから週末のイベントの一つになるほど、キャンプやアウトドアは身近な存在になっている。
日本オートキャンプ協会によると、コロナ前には860万人がオートキャンプの参加人口とレポートしている。

出典:一般社団法人日本オートキャンプ協会「オートキャンプ白書 2022」

https://www.autocamp.or.jp/post-14578/

新型コロナによって、オートキャンプ自体は出来ない環境になっていたため、一時的に減っていたものの、家中キャンプの需要が高まり、家の中で行なうインドアキャンプが潜在的にブームとなっていた。
SNSでの拡散が、その一躍を担っており、「美味しく食べるキャンプ飯」が人気となっている。
特に、「マルチグリドル」という、浅い中華鍋の様な商品が爆発的人気商品として出回り、それを使ったメニューが美味しく調理できるとブームになっている。
 キャンプ飯では、肉メニューも多く、シェアできる「1ポンドステーキ」や「ビア缶チキン」、本格的な「ミートローフ」、ダッチオーブンで「ローストチキン」なども一般的に作られる様になってきている。
キャンプと言えば、バーべーキューや焼肉、調理してもカレーライスと言ったイメージは、すでに時代遅れで、家庭で作る料理よりも本格的な料理をアウトドアで行なっていると言っても過言ではない。
こういった、キャンプ料理のレシピを「ソトレシピ」と言い、本格的な料理を作る人も多い。
SNSにアップすることも流行しているため、急速にキャンプ人口が増えているのである。
 キャンプを行なうターゲット像も、ファミリーはもちろん、カップルやキャンプ好きのグループ、一人で行なうソロキャンプまで幅広い。
さらに、キャンプだからテントを建てて泊まるというだけでは無く、「デイキャン」と呼ばれる、その日のうちに帰る、気軽な日帰りキャンプも週末に多く行なわれている。
 週末を中心にアウトドアコーナーを充実させ、精肉でもキャンプブームに便乗する。
今年のポイントは「1ポンドステーキ」。
「サーロイン」を使って迫力ある売場作りを行なう。
「骨付きロース」や「グリラー」なども品揃えすると、アウトドアを売場で演出することが出来る。
バーベキュー焼肉用のお肉も販売し、インドア焼肉需要も一緒に喚起した売場作りを行なうと良い。

キッチンからキャンプまで幅広く提案

美味しいお肉が食べられる生活、美味しい食シーンは家でも外でも考えられる。
精肉で販売する商品は、美味しくて当たり前の時代。そこに、調理する楽しさ、体験価値が加わることで、今まで以上に魅力的なメニューとなる。
その体験価値は、家庭で楽しむ調理だけではなく、キャンプやバーベキューだと、さらにその高価を増幅させる。
SNSや動画配信サービスの普及により、手軽に楽しめるシーンであることが伝えられ、多くの人がそれに魅了されている。
メニュー提案の幅は、キッチンからキャンプまで幅広く捉え、今までよりもウィークエンド提案やウェザープロモーションに意識した提案をしてもらいたい。
「ミート惣菜」に関しては、夕食のおかず、メインになる揚げ物を中心に、おつまみ商材やアウトドアですぐ食べることが出来る商材も品揃えすると良い。
強い台風の直前には、「台風コロッケ」が売れる。
家から外に出ないため、「台風コロッケ」は1人何個も購入する。
大型パックでの品揃えで、売上確保を狙う。最近の集中豪雨は、道路や家が冠水するほどの雨量となるため、雨が降るタイミングは、こまめにチェックし、豪雨のタイミングでは人は行動出来ないため、販売量の調整なども適宜行なっていくと良い。