今月の4つの販促テーマ

1.『いよいよ立冬 地鶏の味を満喫 地味鍋まつり』


【販促のタイミング】
販促期間:11月1日(日)~8日(日)
祝日、イベント:3日(火・祝)文化の日 7日(土)立冬、鍋の日
クロス販売:各種鍋つゆ

【重点商材と品揃えリスト】

国産地鶏モモ肉カット 298円/100g
国産地鶏モモ肉カット 298円/100g
産地商品名内容量
G
ユニット
円/100g
国産地鶏モモ肉カット100298
国産地鶏ムネ肉ハーフカット100258
国産銘柄鶏上モモ肉100158
国産銘柄鶏ムネ肉100128
国産赤鶏モモ肉切身100248
国産赤鶏ムネ肉切身100198
国産銘柄鶏肩肉(ムネ)100128

発酵鍋や美人鍋、辛旨スパイス鍋、痛風鍋などトレンド鍋にランクインする鍋がある中、鍋業界の重鎮となる地鶏を使用した地味鍋を売込む。
立冬で本格的な鍋商戦が激化するタイミングで、肉本来のおいしい素材を提案する。
地鶏、赤鶏、銘柄鶏を中心にアッパーな商材を訴求することで、売場を充実させるとよい。
普段から地鶏がよく売れる地域は良いが、一般的にはなかなか売れにくい商材であるため、売り方に工夫が必要となる。

  • 1パック単価を上げず、300円~500円ラインで買えるようにする。
  • 地鶏、赤鶏、銘柄鶏食べ比べセットにしてパック単価を下げる。
  • ミールキットの商材で地鶏を謳い、野菜と一緒に販売する。

など、単純に地鶏モモ肉を販売して、売れなかったという今までとは違う商品化や売り場作りを行う機会とする。
また、お肉を投入するタイミングは最初。ただ、加熱しすぎると水分が出きってしまい硬くなってしまうので、食べるのも早めのほうがおすすめです。コトPOPで掲示して、おいしい鍋を提案したい。

2.『プルコギ焼肉で安価なすき焼き』

【販促のタイミング】
販促期間:9日(月)~15日(日)
祝日、イベント:15日(日)家族の日
クロス販売:すき焼きの割り下

【重点商材と品揃えリスト】

米国産牛肩ロースプルコギ用 580円/400g
米国産牛肩ロースプルコギ用 580円/400g
産地商品名③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
米国産牛肩ロース切り落としプルコギ焼肉用用途内容量145
米国産牛バラスライス味付け焼肉用200g290
米国産豚肩ロース焼肉用味付け焼肉用450580129
米国産豚とろ焼肉用塩だれ焼肉用400580145
国産鶏肉モモ焼肉用味付け焼肉用400580145
国産鶏肉ハラミ焼肉用塩だれ焼肉用450580129
米国産牛肩ロースプルコギ用 580円/400g

どの店にも一般的に販売されるようになったプルコギ焼き肉であるが、実際に家庭でメニューになるのはプルコギだけではなく、パンに挟んだり麺類のトッピングになったり様々である。
これは、大手ホールセーラーが大型パックを販売し始めたことに始まるが、多くの料理雑誌でもアレンジメニューを取り上げており、味付けのプルコギは焼き肉だけの食べ方ではなくてもよいという印象がある。
年末年始に向けて、和牛をすき焼きで拡販して売り上げを確保したいため、すき焼きを身近に感じてもらうよう取り組みたい。
プルコギ焼き肉のアレンジメニューで、すき焼きは合わないと思われがちであるが、タレの原材料のベースは、すき焼きと同じであるため、十分応用が利く。
タレ漬けの薄切り焼き肉関連も一緒にすき焼きで拡販して盛り上げる。
販促のタイミングとしてはウィークデーが最適。
定番でプルコギ大型パックが売れにくい、ウィークデーにすき焼きのメニュー提案を仕掛けることで、すき焼きもお肉たっぷりのメニューとなる。
打ち出しがなければ、ただのプルコギ焼き肉のため、POPでのアレンジメニューやコトPOP、関連販売ですき焼きのタレを陳列することで、より明確なメニュー提案を行う。

3.『ボジョレー解禁 洋食フェア』

【販促のタイミング】
販促期間: 11月16日(月)~22日(日)
祝日、イベント: 19日(木)ボジョレー・ヌーボー解禁日
クロス販売: ステーキソース

【重点商材と品揃えリスト】

米国産プライム牛サーロインステーキ用 598円/100g
米国産プライム牛サーロインステーキ用 598円/100g
産地商品名用途①内容量
g
②ユニット
円/100g
米国産プライム牛サーロインステーキ用100598
米国産プライム牛ロース厚切りステーキ用100498
豪州産アンガス牛サーロインステーキ用100498
豪州産アンガス牛ロース厚切りステーキ用100498
豪州産ラム骨付きロースステーキ用100480
ウルグアイ産牛ロースステーキ厚切りステーキ用100298
ウルグアイ産牛ヒレステーキ厚切りステーキ用100398

豪州牛アンガス牛、米国産プライムのサーロイン、ロースを使用したステーキで洋食ディナーを、ボジョレー解禁とともに盛り上げる。
おつまみ商材として、生ハムやサラミなどの需要も高まるが、メインはステーキで提案する。今年は外食でボジョレーを楽しんでいた方も、家庭でのディナーに切り替える人もおり、おいしいステーキを食べる提案が功を奏する。
産地やブランドにより食べ方は変わる。
米国産牛肉はコーンフェッドのため、肉の味が濃くしっかりとしているため塩コショウなどがおすすめであるが、豪州産アンガス牛は米国産に比べると味はさっぱりするため、ステーキソースが合わせやすい。
近年、徐々に広まっているウルグアイ産はグラスフェッドのため、濃いステーキソースや焼き肉のタレ、ニンニクが強めのソースや粒の粗い塩など、様々なソースで食すことができる。また、ウルグアイ産は低価格で販売できることが売りの一つである。
競合店と同じグレードのものを使用すると、価格勝負になってしまい、どちらにもメリットステーキソースにもこだわると良い。

4.『「和食の日」「いい肉の日」に提案する日本の和牛すき焼き』

【販促のタイミング】
販促期間: 11月23日(月)~29日(日)
祝日、イベント: 23日(月)祝日 勤労感謝の日 24日(火)和食の日 29日(日)いい肉の日
クロス販売: すき焼きのタレ

【重点商材と品揃えリスト】

国産黒毛和牛肩ロース(ザブトン)すき焼き用798円/100g
国産黒毛和牛肩ロース(ザブトン)すき焼き用798円/100g

年末商戦1か月前から銘柄和牛を顔出しさせる。
いい肉の日にちなみA5等級の和牛をセット納品し、プレ年末商戦を実施する。すき焼き、しゃぶしゃぶをメインに、焼肉で部位食べ比べセットも販売すると、年末商戦でも購入しやすい環境となる。
今年は新型コロナウイルスの影響で、GWや盆商戦で和牛の販売に苦戦したエリアも多いが、購入する消費者のニーズを捉えた商品を展開していれば、売り上げを伸ばしている店舗も少なくない。今までと同じ売り方や昨年ベースの展開をしていたお店は、年末商戦も売り上げは芳しくない結果に終わってしまうので、注意が必要である。
和牛の販売ポイントとしては、以下に注意が必要となる。

  1. 銘柄和牛の活用(ノンブランドで低価格戦略としない)
  2. 1パック単価の調整(TPOに合わせた量目と価格設定)
  3. 効果的な希少部位の展開(何でも希少部位販促すれば良いというわけではない)
  4. 柄トレーの絞り込み(アイキャッチとなるカテゴリを目立たせる効果があった柄トレーを、すべてのアイテムで使用するようになってしまい、すでに柄トレーの効果が薄れている)

特に、銘柄和牛を競合店と差別化させることで、無駄な価格勝負をする必要がなくなる。
また、定番での販売については、以前のように大パックが簡単に売れる訳ではないため、平日は極小パックで購入しやすい商品の品揃えも重要となる。

今月の重点販売商品と今年の売り方

『国産牛もつ鍋用モツ』298円/100g
『国産牛もつ鍋用モツ』298円/100g

【ポイント】

新型コロナウィルスの影響で国産牛ホルモンが凍結されている。

国産牛ホルモンの多くは、和牛や交雑牛など分けていないため、和牛の産地のホルモンは特に和牛が入っている確率が高い。

家庭で食べるもつ鍋が、脂肪の乗った国産ホルモンになることで、もつ鍋屋で食べるおいしいもつ鍋となる。

夏場はホルモン焼きで売れるが、今年は新型コロナの影響で、例年よりも売れなかったため、安価に手に入る。このタイミングでホルモン鍋の提案を行う。

商品化は国産牛のシマチョウ、小腸、アカセン、センマイ、ハツを使用する。単品での訴求を行うと、ホルモン焼き用としても販売できる。特に、シマチョウ、小腸は脂肪を落としすぎない商品化がポイントとなる。

量目は、100g~200g程度に設定することで、購入しやすい価格帯となる。1P380円よりどり980円で、もつ鍋の具材をバンドル販売すると、より面白い企画となる。

トッピングにごまなどを振ることもあるが、冬季はニラを少し入れるだけで、もつ鍋を連想させるため、ちょっとした工夫が売り上げを左右する。

関連販売では、もつ鍋のつゆは必須。場所に余裕があれば、カットキャベツ、ニラ、鷹の爪も販売するとよい。

『フライパンで簡単クッキング 肉野菜炒め』500円/P
『フライパンで簡単クッキング 肉野菜炒め』500円/P

【ポイント】

TI値が年間通して最も高いのが肉野菜炒め。

単品で切り落とし肉とタレ、カット野菜を購入すればできるメニューであるが、1P500円程度であれば、いろいろな売り場で商品を購入することなく、食材も余すことなく使い切れるということで、すべてがそろったミールキットが人気となっている。

ホットメニューが中心となりがちな、メニュー訴求であるが、簡単なメニューに関してはキットにして販売すると良い。

タレは、業務用の個包装のタレを使用するが、タレの味が販売量を左右するため、きちんと食べてから選択してもらいたい。

販売時の注意ポイントとしては、お肉以外の野菜などの鮮度管理が必要となることである。この部分は、精肉担当者は比較的無意識になりがちなため注意したい。

ミールキットは、調理の簡単さ、ボリューム感、味、価格、バリエーションが売れるポイントとなる。牛豚鶏など畜種の種類があると購入する選択肢が多くなる。

一般的なメニューは価格がポイントとなるため500円以下を目指す。素材や食事バランス、味に重きを置いた商品は、やや高めの価格設定となる。

今月のトレンド商品、育成商品

『タイ産合鴨ムネ肉ロースト』248円/100g
『タイ産合鴨ムネ肉ロースト』248円/100g

【ポイント】

西日本から鴨肉ブームがスタートし、関東以北で販売が強化されている合鴨。

特にムネ肉に関しては需要が高くなり始めており、加熱済みの合鴨スモークや合鴨パストラミをカットしたものが、ミート惣菜で強化されている。

できたてのおいしさを求め、精肉のミート惣菜では生の合鴨を仕入れ、スチームコンベクションオーブンとフライパンで加熱し、しっとりと香ばしい、できたて合鴨ムネ肉ローストが注目を集めている。

味付けはシンプルに塩とコショウだけでも、十分素材の味が味わえるため、ミート惣菜の育成商品として取り組んでいる企業も増えている。

トレンド商品は各社マネをして、価格勝負の商品となってしまっては、意味がない。そのため、写真の状態から、競合と同じ商品化にならないように、刻みネギを振る、白ネギの輪切りローストをのせる、白髪ネギを盛り付ける、ソースを本格的な赤ワインソースをかけるなど、店舗オリジナルの工夫をしてもらいたい。

それぞれの企業の工夫が、消費者を楽しませるため、店舗への来店率へとつながる。