11月に売込むこの商品

秋冬メニューの王道「しゃぶしゃぶ」を、定番商品と付加価値商品で棲み分けをして売上を確保していく。
「しゃぶしゃぶコーナー」の売り上げの核となるのは、豚ロースや牛肩ロースの薄切りであるが、変わり種商品があることで、さらにしゃぶしゃぶコーナーのボリューム、売上のボリュームが上がる。
畜種、部位、食べ方含めて様々な角度から、しゃぶしゃぶコーナーに幅を持たせていく。

【牛肉】

国産黒毛和牛ザブトン(肩ロース)牛しゃぶ用 980円/100g
国産黒毛和牛ザブトン(肩ロース)牛しゃぶ用 980円/100g

黒毛和牛肩ロースの中でも「ザブトン」を使用した商品化を行なう。
希少部位人気でザブトンのネーミングを知っている消費者も多く、その価値をしゃぶしゃぶでも展開する。「ザブトン、肩ロース芯」など希少部位として、焼肉コーナーで一世風靡してから認知度が高くなったことから、しゃぶしゃぶでも食べてみたいという消費者の心理をくすぐる提案としたい。
豚肉のしゃぶしゃぶが登場してから、量販店では牛肉のしゃぶしゃぶが下火になり、豚肉がしゃぶしゃぶコーナーを牽引している。
高級なイメージの「しゃぶしゃぶ」を、豚肉は安価でさっぱりとした食材として、家庭の食卓でも食べることが出来るメニューとして認知された。
しかし、外食のしゃぶしゃぶ業態では、あまり家庭でも食べられていない「牛しゃぶしゃぶ」を、注文することも多く、また高級店でもやはり牛肉を使用している。
深層心理では、牛肉のしゃぶしゃぶを食べたいニーズは存在していることから、特に牛肉しゃぶしゃぶを食べてきた、高齢者層をターゲットに、少量で満足感の得られるアイテムとして品揃えする。

【豚肉】

メキシコ産トントロ(ネック)豚しゃぶ用 480円/300g
メキシコ産トントロ(ネック)豚しゃぶ用 480円/300g

焼肉用として人気の「トントロ」を薄切りにして、しゃぶしゃぶ提案する。
焼肉カットの商品は、しゃぶしゃぶにすると硬い食感となってしまうため、薄切りを使用する。
牛肉ほど単価が高くないため、量目を多めに設定しパック売価を上げて商品化すると良い。
「トントロ」は、しゃぶしゃぶ以外でも、定番の焼肉、塩だれでネギや玉葱と一緒に炒めて野菜炒め、生姜焼きなどにも活用出来る。
アレンジメニューと一緒に売場で提案する。
秋冬では、鍋の素材としても食感の異なる豚肉として、豚ロースや肩ロースと一緒に販売出来る。
商品化は、高蓋付き丸トレーなど、ボリュームのある商品化にすることで、売場でもボリューム感が演出できる。
その際は、一緒に購入してもらいたい商品も、同じトレーで商品化することで、関連性をつけることが出来る。

【ラム肉】

豪州産ラム肉モモ ラムしゃぶ用 298円/100g
豪州産ラム肉モモ ラムしゃぶ用 298円/100g

羊肉を使用したしゃぶしゃぶ提案を実施する。日本では一般的ではない羊肉であるが、その要員の一つに羊肉の香りがある。
特に日本ではジンギスカンの用途で羊肉は用いられるため、焼いたときの香りが部屋に残ることを懸念して家庭では料理しないという消費者が多い。
しかし、羊肉のしゃぶしゃぶは、焼いた時に出る独特の香りなく、家庭でのネガティブ要員は軽減される。
タレはジンギスカンの醤油ベースのタレで食べると美味しいので、ジンギスカンが家庭で楽しめないという人でも、同様の味が家庭でも楽しめるようになる。
商品化は、ラム肉ランプを使用してスライサーで薄切りにする。
肩や肩ロースでも商品化は可能であるが、肩はばらけやすく、肩ロースは面が広くないため商品化に時間が掛かってしまう。そのため、比較的面が取りやすく、残った部分をサイコロステーキのようにして販売することが出来るランプがオススメである。
個体によってやや粘り気のある水分が多いラムも存在するが、半凍結させるとスライスしやすい。冷凍原料を使用するのも一つの手段である。

【簡便商材】

ガーリックペッパービーフ 牛味付け 680円/230g
ガーリックペッパービーフ 牛味付け 680円/230g

簡便商材で売れ筋となっているガーリックペッパービーフは、根強い人気となり各社オリジナリティのある商品化を実施している。
そのまま、焼いておかずにもなるが、ご飯と一緒にガーリックライスにも商品化出来る部分で、消費者にも受け入れられたと思われる。
さらに味の強化をするにあたり、ガーリックバターの添付を行なうと良い。
ステーキにも添付できるガーリックバターであるが、ガーリックライスだけでなく、ガリバタチキンなど、鶏モモなどにも添付して汎用性の広い調味料として活用する。
ガーリックペッパービーフは数量が売れ始めてきているため、ドーム型の高蓋では無く、重ねることが出来るタイプの蓋付きトレーを使用して商品化する。
蓋にタレが付かないように注意する。また、お肉だけで無く、コーンなどが入っていることがわかるように盛り付けることも売れ筋となる一つのポイントである。

エスニック料理の売場

コロナが落ち着き、海外旅行が出来るようになり、東南アジアを中心に連休などに頻繁に海外旅行するようになってきている。
特に、女性に人気の東南アジアはエスニック料理を求めて渡航するケースも少なくない。台湾やベトナム、タイの料理は、最近日本でも外食店が増え始め広く一般的に食べられるようになってきている。
ここ最近、日本で増えているのがインド料理である。
インド料理はインド人が経営している場合もあるが、ネパールやバングラディシュ、パキスタンなど、周辺国の方が経営していることも多く、これらの地域でもインド料理が食されている事が伺える。
代表するメニューとしては、カレーがあり、香辛料が店舗によって少しずつ異なることも、このメニューの面白さにある。このような楽しみを味わえるのが、エスニックで、エスニック特集を行なうと、若い女性を中心に購買につながる。
精肉でインド料理と言えば、「タンドリーチキン」であるが、本来「タンドリーチキン」は「骨付きモモ」など骨の付いた鶏肉を使用する。
骨が付いていないムネ肉などを、タンドリーチキンのようにしたメニューは「チキンティッカ」という別の料理名が付いているので知っておきたい。
このタンドリーチキンのタレを使用して、日本独自の進化を遂げたのがタンドリーポークとなる。本場インドでは、豚肉を食べる習慣はほとんどない。
牛肉のように宗教上食べないと言うことでは無く、豚は汚い不浄な動物というのが、食べない理由だそうだ。日本では、衛生管理も行なわれた経済動物であることから、豚肉を上手く活用したい。

国産豚バラ タンドリーポーク味付け 380円/200g
国産豚バラ タンドリーポーク味付け 380円/200g

豚バラ肉を使用したタンドリーチキンのアレンジ商品。タンドリーチキンの味付けを、豚バラ角切りで行ない商品化する。
オペレーションも容易で、タレさえあればすぐに商品化することが出来る。
タンドリーはインド料理で使用する「タンドール」という壺型のかまどで焼く料理のこと。ナンを焼く土釜のことである。ナンはタンドールの内側の壁に貼り付けて焼くイメージだが、タンドリーチキンなどは長い串に肉を刺し、壺の内側に立てかけてオーブンのように加熱していく。
日本の家庭にはタンドールはないので、フライパンで焼き上げることで、メニューを再現する。
 
インドの串料理に「シークカバブ」がある。
インドでは、羊や山羊の挽肉を使用して香辛料、玉葱、ニンニク、クミンなどを混ぜ、串に刺しタンドーラで焼き上げたメニューである。
日本ではなかなか羊や山羊の挽肉は手に入らないため、合挽肉や生ソーセージなどを代用して、串に刺して焼くと、エスニック感が出て食卓が楽しくなる。

2023年AIによる精肉売場予想

現在、AIが進化を遂げ、様々な情報を素に、精肉を考察することも可能な時代となっている。
2023年の日本の量販店精肉売場でトレンドとなるテーマについてChatGPTに質問したところ、以下のような回答が得られた。

  1. 持続可能性: 持続可能な肉供給がますます重要になります。消費者は環境に配慮した製品や、動物福祉に配慮した肉を求めています。スーパーマーケットは、この需要に応えるために持続可能な肉の品揃えを強化するでしょう。
  2. プラントベースド・ミート: プラントベースド・ミートやベジタリアンオプションの需要が増加しています。肉食者から非肉食者まで幅広い顧客をターゲットに、肉の代替品を提供することが期待されます。
  3. 地元産品: 地元産の肉や家庭製品に対する需要が高まります。地元の肉加工業者や農家と提携し、地元産品を強調することで、地域コミュニティへの貢献をアピールポイントにします。
  4. 健康志向: 健康意識が高まる中で、低脂肪、高タンパク質、無添加の肉製品が注目されます。スーパーマーケットは、健康に配慮した肉製品を提供し、栄養情報をわかりやすく表示することで顧客に訴求します。
  5. デジタルプレゼンス: オンライン注文、デジタルクーポン、お得な情報の提供など、デジタルプレゼンスを高めることが不可欠です。顧客はスマートフォンアプリを通じて商品を探し、価格を比較し、注文することを好む傾向があります。
  6. 国際的な料理の影響: 国際的な料理からの影響を受けた肉製品や調味料の提供が増えるでしょう。エキゾチックな調味料やスパイスを使用した料理の素材として、新しい商品が店頭に並びます。
  7. 調理とレシピサポート: スーパーマーケットは、顧客に調理方法やレシピの提供、料理アドバイスを強化し、料理の手助けを行います。これにより、料理のアイデアを提供し、売上を増加させる機会が生まれます。

Written with ChatGPT 2023/09/18 17:35

何も情報を与えていない状態で、ChatGPTは上記の7項目についてのコメントを出してきた。精肉の現場レベルでは、持続可能な調達の話までは、なかなか行き着かないが、バイヤーや経営者は、すでに1.2のSDGsやプラントベースド・ミート、代替肉などについての情報収集と展開を検討している。現時点では、大豆たんぱくでの代替肉が日本では主流であるが、元来日本では豆腐なども普段の食生活で摂取しているため、大きく大豆ミートへのブランドスイッチは行なわれなかったと言っても過言ではない。3の地産品商品は、今後の海外からの調達難を想定すると、より身近な場所からの商品調達が鍵となることをAIも予測していると考えられる。また、スマホを活用したECは、すでに競合がたくさんいることから、価格がポイントとなることにも言及している。6を見ると、海外の調味料や料理の影響を受けることも想定しており、今回提案したエスニック料理のフェアなども、売場作りには必要であると考えられる。

現実とAIの世界

科学技術の進歩で、少しずつ世の中の情報源や当たり前が変化している。20年前はレシピと言えば、テレビの料理番組や一部レシピサイトがあった程度であるが、今となってはほぼ一人一台持っているスマホで調べると、数多くのレシピが検索できる。食材の調達も、量販店に購入する事が大多数で、一部トラックで配送をしてくれる制度を採用している企業があったが、今はネット決済、ボタン一つで、当日に食材が配送されたり、外食が届けられたりする世の中になっている。精肉に関しても進歩は著しく、冷凍の技術、工場の3Dスライサーでの定貫商品の実現など、様々なカテゴリで変化が起きている。
AIが進歩するにつれ、様々な業種で業務が簡素化され、生活も楽になる反面、やはり、人間がその時々の感情でトレンドが生まれたり、美味しいと感じる事が出来る精肉商品を作ることが出来るのは、人間ならではの面白さでもある。
精肉で美味しいと言ってもらえる商品作り、商品を見て購入したいという心のこもった商品作りを忘れず、日々の商品化を行なってもらいたい。