今月の4つの販促テーマ

1.『銘柄和牛応援フェア』

【販促のタイミング】
販促期間: 11月30日(月)~12月6日(日)
祝日、イベント: なし
クロス販売: 焼肉のたれ、岩塩、柚子胡椒、わさび、すき焼きのたれ
【重点商材と品揃えリスト】

黒毛和牛焼肉用三種食べ比べセット 1,380円/150g
産地商品名用途①内容量
g
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
国産黒毛和牛ロースすき焼き用1501480987
国産黒毛和牛肩ロースすき焼き用1601480925
国産黒毛和牛肩すき焼き用2001480740
国産黒毛和牛ランプすき焼き用2501480592
国産黒毛和牛モモすき焼き用3001480493
国産黒毛和牛肩ミスジ希少部位焼肉用60500833
国産黒毛和牛イチボ(モモ)希少部位焼肉用60500833
国産黒毛和牛ランボソ(モモ)希少部位焼肉用60500833
国産黒毛和牛トモサンカク(モモ)希少部位焼肉用60500833
国産黒毛和牛シンシン(モモ)希少部位焼肉用60500833
国産黒毛和牛中落ちカルビ希少部位焼肉用60500833

【概要】

年末商戦を想定した、銘柄和牛応援フェアを開催する。例年の和牛一頭買いや単なる特売では、財布の紐が固い環境では比較的売ることは難しい状態と考えられる。そこで、年末商戦に使用する銘柄を応援するフェアを開催して、年末商戦の前哨戦を行うと良い。
すき焼き需要が高いため、主力で販売する商品はすき焼き用となるが、商品化の際に、希少部位焼肉で使用できる部分は、小割りして別に商品化すると良い。
焼肉用は少量パックのバンドルセール。
1パック500円よりどり3パック1380円という低価格の設定で、和牛を販売する。
1パックだと、100g以下の少量パックであるが、自分の好きな部位やカット方法の商品を選んで購入することが出来る。
希少部位の「イチボ」「トモサンカク」をはじめ、「ロース」「カルビ(バラ)」などの王道の部位も展開。
部位カードを添付したり、あらかじめ3種類セットして販売する場合は、POPに部位の説明を入れると良い。
アウトパックやPCでは難しい対応が、厚みを変えた商品化。
インストアで商品化を行っている企業は、差別化を図るいい機会となる。比較的やわらかい部位は厚めのカット、硬い部位は薄くカットしたり、隠し包丁を入れる。
ノーマルで仕入れている店舗は、カッパも隠し包丁を入れて、希少部位で販売すると大手量販店との住み分けを行うことが可能となる。

2.『美味!本格シャルキュトリ』

【販促のタイミング】
販促期間: 7日(月)~13日(日)
祝日、イベント: 8日(火)有機農業の日 13日(日)ビタミンの日
クロス販売: ローストビーフソース、レホール
【重点商材と品揃えリスト】

スペイン産イベリコ豚ローストポークスライス 980円/140g
産地商品名用途①内容量
g
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
国産黒毛和牛ローストビーフ(ソトモモ)ローストビーフ用80780975
米国産プライム牛リブロースローストステーキ用100680680
米国産プライム牛ミスジローストビーフ用80498623
国産ローストポークローストポーク用100398398
豪州産ローストビーフサラダローストビーフサラダ用300980327
スペイン産イベリコ豚ローストポークスライスローストポーク用140980700

【概要】今年のクリスマス商戦は、ファミリーで行うことが多いと想定される。
家庭で気軽に食べることができる、ローストビーフやローストポークを、食肉の加工品『シャルキュトリ』で提案する。
月初から年始にかけて売場を広げ、ミート惣菜の売り上げを上げる。
特に、この年末年始に関しては、帰省をしない人も多く、通常年末商戦で売上が落ちる都市部を中心に昨年と違う動きをする。
帰省先の地方都市は、帰省客が減るため売上が大きく落ちることが想定される。どちらの需要もまかなうために、おつまみ商材を、売上の核とするように取り組みを強化する。
ローストビーフは、和牛やアンガス牛などグレード、リブロースやトモサンカク、ソトモモなどの部位を訴求して付加価値をつける。
ローストポークに関しても同様、白豚だけでなく、イベリコ豚や黒豚をはじめグレード、肩ロースやヒレ、ロースを使用した部位訴求もポイントとなる。
商品化は、そのまま食卓へ並べることができる丸皿や野菜と一緒にしたのっけ盛りなども品揃えすると選ぶ楽しさが出る。
関連販売では、ローストビーフソースやレホール、タマネギスライスなど品揃えすると良い。

3.『旨辛塩チゲ鍋』

【販促のタイミング】販促期間: 12月14日(月)~20日(日)
祝日、イベント: なし
クロス販売: キムチ鍋スープ、キムチ
【重点商材と品揃えリスト】

米国産豚肉焼肉用味付け豚トロ(ネック) 198円/100g
産地商品名用途①内容量
g
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
スペイン産イベリコ豚バラ旨辛チゲ鍋用120580483
国産黒豚肩ロース旨辛チゲ鍋用150580387
国産黒豚バラ旨辛チゲ鍋用150580387
国産豚バラ旨辛チゲ鍋用200380190
国産豚ハラミ旨辛チゲ鍋用240380158
国産豚とろ旨辛チゲ鍋用200380190
米国産豚とろ旨辛チゲ鍋用240380158

【概要】鍋メニューの定番でもあり、女性に人気の鍋ということでも外すことが出来ない「キムチチゲ鍋」である。
近年、旨辛がブームとなり注目を集めている。
部位は、一般的に豚バラを使用することで市民権を得ている状態となっている。定番メニューとしても定着しているため、チゲ鍋のアレンジメニューや〆メニューなども数多くネットでは紹介されるようになってきている。
(部位変)通常使用するのは、豚バラ薄切りやスライスなどであるが、豚トロや豚ハラミといった、チゲ鍋では使用しない部位を使った提案で、新しいチゲ鍋の提案を行う。
豚トロや豚ハラミは焼肉コーナーでも販売しており、豚トロは塩だれをかけて、味付け焼肉用として商品化している店舗も少なくない。
この焼肉用をそのままチゲ鍋に入れることで、作業が増えることもなく新たなメニュー提案となる。豚ハラミも同様で、チゲのような少し辛い調理方法にはまさにもってこいの部位と考えられる。
(畜種変)豚肉を使用することが多いチゲ鍋であるが、鶏肉でもおいしく食べることが出来る。特に脂肪が少なめの鶏ムネ肉やささみを使用することで、女性への浸透は早いと考えられる。
韓国をイメージすると、手羽元や骨付きモモなどの骨付きお肉も展開可能と考えられる。
(販促方法)既存部位を使用するため、定番の食べ方ではない新しい食べ方を紹介することになるため、コト販促やメニュー見本などを用意して紹介する。

4.『簡単フレンチに挑戦!』

【販促のタイミング】販促期間: 12月21日(月)~27日(日)
祝日、イベント: 21日(月)冬至
24日(木)クリスマスイブ
クロス販売: 岩塩、香草、塩コショウ、マッシュポテト
【重点商材と品揃えリスト】

豪州産ラム骨付きロースステーキ用 458円/100g
産地商品名用途内容量
g
②ユニット
円/100g
パック売価
①×②/100
③販売売価
円/パック
販売単価
/①*100
米国産プライム牛サーロインステーキ用90500556
米国産プライム牛ロースステーキ用90500556
豪州産アンガス牛サーロインステーキ用100500500
豪州産アンガス牛ロースステーキ用100500500
ウルグアイ産牛ロースステーキ厚切りステーキ用150500333
 ユニットアイテム      
ウルグアイ産牛ヒレステーキ厚切りステーキ用100398 
国産黒毛和牛ヒレA5ステーキ用1001280 
国産肉専用牛サーロインステーキ用100880 
国産交雑牛肩みすじステーキ用100680 
豪州産ラム骨付きロースステーキ用100480 

【概要】クリスマスは家庭で味わう「簡単!本格フレンチ」をテーマにイベント感を演出する。
簡単なメニューでは、ステーキがあるが、フランス語で「bifteck(ビフテック)」と呼び、牛ステーキは赤ワインソースなどで食べる。
赤ワインを使用したステーキソースを関連販売すると、よりフレンチ感が演出できる。
以前は、イベント感演出するためにステーキ肉のバラ売りを行っていたが、新型コロナの影響でバラ売りは出来ない。
その代わりに、スキンパックやオントレー商品を定額にしてバンドル販売し、買い上げ点数を増やすと良い。
バンドルに入れるアイテムとしては、豪州牛、米国産牛、ウルグアイ産牛などが利用できる。それぞれ特徴が違うため、すべてを品ぞろえしても面白い企画となる。
豪州産は安定のアンガス牛150日グレインフェッド、米国産は甘味があるグレインで、CABやプライム、ウルグアイ産はホルモンフリーや抗生物質フリー、放牧牛などのエシカル訴求で売り込む。
またウルグアイ産牛は判が小さいため、同じ定貫販売をすると厚みをつけることが出来る。
それ以外では、クリスマスさを演出できるラムラック、今年年間通して需要が増えているラムランプステーキなども販売を強化すると良い。
それぞれ、調理方法や加熱時間が異なるため、レシピカードなどを使用して展開する。

今月の重点販売商品と今年の売り方

『銘柄和牛肩ロース焼肉用(厚切りすき焼き用)』1,980円/150g

【ポイント】年末年始商戦には必須の折り箱アイテムを12月は販売する。
特に、和牛肩ロースは例年の年末商戦の需要落ち込みが想定されるため、有名焼肉店のテイクアウト風折り箱展開を行う。
有名焼肉店の市販のたれをセットして、おうちで味わう、焼肉セットの展開で、精肉を越えた高級商品の展開を行うと良い。都心の有名焼肉店のテイクアウト焼肉セット(生)は、1人前1万円~3万円程度で販売されており、毎日予約が入るほど需要がある。
量販店は、何でもが安いというイメージから、「より価値のあるものは価値のある価格で販売する」というスタンスで、取り組むと利益確保につながる。
今年の年末商戦は、盆商戦同様に、エリアによって勝敗が分かれることが想像できる。
(都心)帰省しないファミリーが多いと思われるため、ケ型商品や少量多品種の和牛などに需要が集まる。折り箱や洒落たトレーに、銘柄和牛を盛り付け、年末らしさを演出するのもよい。例年とは違う年末商戦になるとはいえ、1日や2日はすき焼きやしゃぶしゃぶを行ない、年末年始を盛り上げる日がある。
この需要を取り込まなければ、チャンスロスとなるためである。
例年よりも、大幅に和牛の仕入れ量を増やすとよい。
(地方)帰省が例年よりも少なくなることが予想される。
そのため、売り上げは大幅にダウンする。しかし、帰省が行われる家庭もあるため、大型パックの品ぞろえは行っておく必要がある。
例年、親族集まって年末年始を過ごしていた世帯に関しては、親族が来ないからと言って、毎日がケ型になるわけではなく、地方の特徴で、やはり例年通りいいものを食べないと年末年始を過ごした気にならないとなる。
そのため、展開は抑えつつもハレ型商品の展開を行うと良い。

『タイ産合鴨ムネ肉』398円/100g

【ポイント】ハレ型のメニューを展開するイベント月には、定番であまりおいていない合鴨などを強化すると、売場に変化が出る。
クリスマス商戦に向けては、ブロック肉やスライス肉をローストして、豪華なディナーを食シーンとするメニューの展開で、いつもと違うライフスタイルを提案する。
(8mm厚の商品化)合鴨の定番「鴨鍋」、焼肉、鴨ローストなど、汎用性の高い商品化。商品の提案によって、コトPOPを変化させてテーマを決めて提案するだけで、1つの商品から毎日違ったメニュー提案を行うことが出来る。
下敷きにメニューにあったカット野菜を入れるとボリューム感が出るが、原価が上がり、また鮮度管理も必要となるため、人材に余裕がない店舗では、肉だけの商品を展開すると良い。
(合鴨ムネ肉ブロック)合鴨ムネ肉を1本で販売すると、作業性やオペレーションは格段に簡素化される。ただし、1本だと価格メリットが出しにくいだけでなく、調理をどうすればよいかわからない消費者が格段に増える。
そのため、1本で反場いする場合は、合鴨ローストの調理方法や、鴨鍋にするにはどうやって切ればよいかなどの、レシピカードをつけてあげると良い。
(合鴨ロール鍋用カット)合鴨ムネ肉(モモ肉も可)を皮目を外側に、ロール状にラップで巻いて凍結する。2枚あればムネ肉の太い側と細い側を互い違いに合わせて巻くと、脂肪とお肉がバランスよく合わすことが出来る。
また、ムネ肉とモモ肉を合わせて巻くと、バランスよく販売することが出来る。凍結した鴨肉のラップをはがして、5mm厚でカットすると、丸い鍋用の鴨肉が完成する。

今月のトレンド商品、育成商品

『自社オリジナル銘柄豚の直火あぶり焼豚』480円/P

【ポイント】12月はクリスマス商戦や年末商戦があり、オードブルやおつまみ商材、シャルキュトリと呼ばれる精肉加工品が年間を通して最も売れる月といっても過言ではない。
特に、毎日の買い物で精肉を利用していると、店舗で扱う銘柄を自然と覚えるため、その銘柄を使用した加工品があると、購入に対して安心感が生まれる。最近では、ライブキッチンを使用して、オリジナル銘柄肉を使用した、唐揚げやとんかつ、肉団子など、各企業のミート惣菜部門で販売を強化している。
加工品は店内で加工することが難しいため、メーカーなどに依頼してOEM生産してもらう必要があるため、事前に商品開発を行う必要があるが、一度製造すると、従業員も自社ブランドの加工品という意識で、愛着が湧き、メーカーのコンシューマ商品よりも売り込みを意識的に強化することになる。
オリジナル銘柄豚の直火あぶり焼豚は、ウィークデーではおつまみ商材、クリスマス商戦では、ローストアイテムの一品として、年末・年始商戦では、おせち料理の一品、酒のあてにも最適な商品である。
ブロックで販売して汎用性の高い商品、時期に合わせて薄切りや厚切りで、そのまま食べることが出来るミート惣菜としても展開できる。
焼き豚のたれを関連販売させて、売り上げのプラスアルファを狙うと良い。