今月の販売のポイント

【要約コメント】
初夏から夏に向け、焼商材を中心とした展開を本格的に稼働させた売場作りを行なう

【今月の販売ポイント】
今年も新型コロナウイルスの影響でゴールデンウィークは、大きなイベントや遠方への旅行は控える動きが続く。家庭や少人数で食べることが出来る焼商材を中心に、夏に向けた商品展開へ売場の作り方や商品化も変更していくタイミングとなる。

しかし、焼材の原料相場の動き、原料在庫や仕入れの状況は例年とは異なるため、メーカーとのコミュニケーションを十分にとる必要がある。

平日は財布の紐が堅く、経済状況も良くないため売上を作ることが難しい。均一セールやよりどりセールを、適宜盛り込み買い上げ点数を上げるようにする。

味付け商材は、平日の経済メニュー、お弁当の一品としても使える。また、初夏には涼味メニューとして、冷しゃぶや温しゃぶ、冷惣菜なども売上に貢献する。

冷惣菜では、棒々鶏など蒸し鶏などを使用した商品も積極的に販売すると良い。徐々に気温が上昇するため、衛生管理には十分気をつけて商品化を行なう。

部門共通テーマ

18週 『子どもの成長を祝う 「こどもの日」特集』

【ローストビーフちらし】

産地商品名用途内容量
g
②単価
円/100g
ユニット
①×②/100
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
米国産ブラックアンガス牛ローストステーキ用100 0398398
米国産ブラックアンガス牛ダイスカットローストビーフちらし寿司用100 0398398
国産ローストポークローストポーク用100 0398398
国産黒毛和牛ローストビーフ(モモ)ローストビーフ用80 09801225
豪州産ローストビーフサラダローストビーフサラダ用300 0980327
国産銘柄鶏モモ肉唐揚げ用100158158 0
国産銘柄鶏ムネ肉唐揚げ用100128128 0
国産若鶏モモ肉切身唐揚げ用100128128 0
国産若鶏ムネ肉切身唐揚げ用1009898 0
国産若鶏肩肉(ムネ)唐揚げ用唐揚げ用100128128 0
チラシ商品

【商品化例と販促テーマの解説】

米国産ブラックアンガス牛 ローストビーフダイスカット398円/100g
米国産ブラックアンガス牛 ローストビーフダイスカット398円/100g

端午の節句(こどもの日)に食べる食べ物としては、関東は柏餅、関西ではちまきが一般的といわれている。しかし、メインの料理となると、ちらし寿司や唐揚げ、ハンバーグ、焼肉など、子供が好きなメニューを食べる傾向にある。

【肉ちらし寿司】ちらし寿司は海鮮系が一般的であるが、肉ちらし寿司の訴求で、お肉を子供の頃から慣れ親しんでもらう提案を行なう。ローストビーフをダイス状にカットして、子供でも食べやすい一口サイズにして商品化。100g程度で、398円ラインに設定し購入しやすい価格帯とする。

【肉手まり寿司】お寿司も海鮮のイメージが強いが、近年焼き肉屋でも肉寿司が流行している。焼いた薄切り肉やスライスローストビーフ、ローストポークを、丸めたシャリに巻き付かせ、手まり寿司にする提案。食べやすく、かわいい手まり寿司で、こどもの日を祝う。

【子供用プチ唐揚げ】唐揚げ用の鶏肉は、25g~30g程度の大人が食べやすいようにカットされている。しかし、子供にとってはかなり大きく食べにくい。

子供には、この半分程度の15gのサイズで食べやすい大きさとなる。こどもの日のメインターゲットは「こども」であることを踏まえ、小さめサイズの唐揚げ用鶏切り身を販売する。

ジューシーなもも肉、ヘルシーなムネ肉、希少部位の肩肉(ムネ)、大人も食べたい手羽中ハーフの唐揚げ用も販売する。関連販売で、唐揚げ粉や片栗粉を陳列。唐揚げ粉は粉の種類によって、味が全く変わるため、コトPOPで味の説明を記載するとわかりやすい。

19週 『感謝の気持ちを表現 「母の日」フェア』

【子供と作るハンバーグカレー】

産地商品名用途①内容量
g
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
国産黒毛和牛肩バラ角切りカレー・煮込み用80380475
国産牛モモ角切りビーフカレー用200380190
国産牛こま切れビーフカレー用150380253
国産豚ロース切身カツカレー用200380190
国産豚肩切落しポークカレー用350380109
国産豚バラ切落しポークカレー用240380158
国産若鶏モモ切身チキンカレー用260380146
国産若鶏手羽元スープカレー用50038076
国産牛豚合挽ミンチキーマカレー用240380158
国産牛豚ミニハンバーグハンバーグカレー用180380127
チラシ商品

【商品化例と販促テーマの解説】

国産牛豚ミニハンバーグ 380円/300g
国産牛豚ミニハンバーグ 380円/300g

母の日は、子供と作るカレー提案で売場を盛り上げる。

グロサリーのカレーのルウ売場を見ても、かなりバリエーションが増えている。ルウ一1個ずつ小分けにパッキングされている商品もあり、各社工夫がなされている。また、カレーはルウから作るよりも、レトルトカレーを使用することが増えている。

レトルトカレーに、「追い肉」や「トッピング」を追加して楽しむ食べ方も一つの提案となる。

【本格カレーをルウから作る】実は各社ルウのパッケージの裏のレシピ食材には、牛豚鶏の指定はなく、「肉」という記載になっていることが特徴。

味や食べやすさから、ファミリー向け、高級志向、大人向けの3カテゴリに分類して、ターゲット別のお肉を提案する。

(ファミリー向け)あめ色玉ねぎのコクと生クリームでまろやかに仕上げた「こくまろ」、リンゴとハチミツで子供も食べやすい「バーモンドカレー」は、ファミリー向けと言える。そのため、たくさん食べることを想定して、牛小間切れや切り落とし、トッピングにハンバーグや唐揚げなどを一緒に売込むと良い。

子供と作るカレーの提案で最適である。

(高級感)スパイシーな香りの「ゴールデンカレー」、フォン・ド・ボーのうまみが味わえる「ディナーカレー」は、比較的価格が高いため、こだわりのある層が購入する。

お父さんが気合いを入れて作るカレーをイメージし、和牛肩バラ角切りや牛タンカレーなども提案すると面白い。

(大人向け)辛さが際立つ「ジャワカレー」は、子供が高校生や大学生になった家族向けのカレー提案となる。辛いカレーは、鶏肉が合わせやすい。

南国風の辛いカレーのイメージで、南の島「ジャワ島」の「ジャワ」から名付けられたジャワカレー。

インドネシアは、イスラム教が多いこともあり、鶏肉で辛い料理を食べることが一般的であるため、ジャワカレーは鶏肉で作ると良い。

【トッピング】外食のカレー屋では、トッピングは今や定番となっているが、家庭で作るカレーには、あまりトッピングされないようである。

そこで、簡単にトッピングできる、アイテムを紹介すると良い。こだわり派の人には、カツカレー用の豚ロース。ミニハンバーグは焼いて乗せればトッピング完成。ミート惣菜では、ローストビーフやとんかつ、コロッケなども活用出来る。

20週 『スタミナ料理大会』

【スタミナ味付け焼肉580円均一】

産地商品名用途①内容量
g
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
国産牛中落ちカルビ(バラ)炭火焼風味180580322
米国産牛肩ロース切り落としプルコギ焼肉用400580145
米国産牛バラスライス味付け焼肉用200580290
米国産豚肩ロース焼肉用味付け焼肉用450580129
米国産豚とろ焼肉用塩だれ焼肉用400580145
国産鶏肉モモ焼肉用味付け焼肉用400580145
国産鶏肉ハラミ焼肉用塩だれ焼肉用450580129
米国産牛切れ目入りカルビ焼肉用180580322
米国産牛ソフトハラミ焼肉用180580322
米国産豚バラ黒コショウ焼肉用280580207
チラシ商品

【商品化例と販促テーマの解説】

国産牛味付け中落ちカルビ(炭火焼風味)580円/180g
国産牛味付け中落ちカルビ(炭火焼風味)580円/180g

ゴールデンウィークを過ぎると、焼商材も安定して売れるようになる。昨年同様に、コロナ禍でアウトドアや大人数でのイベント等、自粛要請されているため、家庭で食べる焼肉「おうち焼肉」を想定した量目と安価な価格帯で売り場作りを行う。

Withコロナという環境では、安価で経済的な商品作りにも着目した企画がポイントとなる。

牛肉は、国産牛や和牛を使用すると売価が上がってしまうため、品ぞろえ程度で展開する。希少部位提案は引き続き行う。

国産牛で、定番で使用しているバラ部位から中落ちが一定量出るため有効活用する。輸入牛ではショートプレートやチャックアイなど使用して、プルコギ用などのメニュー展開も行っていく。

豚肉では、肩ロースやとんとろ、バラ肉を焼肉提案する。

味付けは、塩だれや黒コショウ味などが合う。最近のトレンドとしては、ヤンニョンたれなど、韓国風の味付けがあげられる。

焼肉屋では鶏肉は食べられることの少ないアイテムの一つであるが、焼立てを食べると想像以上においしいことは、生の焼き鳥でも知られている。

そのため、モモ、鶏ハラミなど、焼き鳥でもおいしい、焼きに適した部位を提案する。

安価な商材として、加工肉も提案。切れ目入りカルビやソフトカルビ、結着焼肉も積極的に取り入れるとよい。

価格帯は480円、580円の均一価格。均一だけでなく、よりどりセールも、買い上げ点数を上げる施策の一つ。スタミナ焼肉よりどりセールで売り場を盛り上げる。

21週 『初夏の涼味フェア』

【涼味銘柄豚冷しゃぶマーチ】

産地商品名用途①内容量
g
③販売売価
円/パック
販売単価
③/①*100
国産黒豚ロース冷しゃぶ用100380380
国産黒豚肩ロース冷しゃぶ用100380380
国産豚ロース冷しゃぶ用180380211
国産豚肩ロース冷しゃぶ用190380200
国産豚バラ冷しゃぶ用220380173
国産豚モモ冷しゃぶ用260380146
米国産豚ロース冷しゃぶ用300380127
米国産豚肩ロース冷しゃぶ用300380127
米国産豚バラ冷しゃぶ用300380127

【商品化例と販促テーマの解説】

銘柄豚ロース冷しゃぶ用 480円/200g
銘柄豚ロース冷しゃぶ用 480円/200g

気温が徐々に上がる初夏。季節の変わるタイミングで、体調不良や体力が低下、食欲減退など、疲労が蓄積するため、ビタミンB1を含む豚肉提案で売場作りを行なう。※1

ビタミンB1含有量は、日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、生の豚ロース脂身付き0.69mg、豚肩ロース脂身付き0.63mg、豚バラ脂身付き0.51mgである。

輸入牛肉サーロイン脂身付き0.05mg、にわとり皮付きムネ0.05mgと比較すると、多いことがわかる。※2

冷しゃぶ提案では、メニュー提案で冷しゃぶサラダや冷しゃぶパスタ、冷しゃぶそうめん、冷しゃぶ冷やしうどんなどのアレンジレシピが数多くWEBでも紹介されている。

冷しゃぶの冷やしちゅかトッピングは、ごまだれにも合うためおいしい。

商品化は、脂肪部分を隠さないように盛り付けることで、消費者の脂肪が隠れているのではないかという不安感を解消させる。

特に、ロースのリブ側はカブリ部分がやや濃いため、色の濃淡が出て商品化も美しくなる。

トレーは、涼味をイメージさせる青系や緑系を使用する。

関連販売で、冷しゃぶのたれやごまだれを陳列すると良い。

※1 疲労回復に効果があるなどの表記は薬事法違反となるため、効果効能は訴求することは出来ない。

※2 カロリーやビタミン含有量などを表示する場合は、栄養成分表示は「食品表示法」によってルールが定められている。2020年4月1日より完全施行されているため、誤った表示をすると行政措置や罰則の対象となるため注意が必要である。詳しくは、消費者庁の「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン」を参照してほしい。

豚ロース脂身つき生の場合、ビタミンB1を表示するために、カロリーなどの表示も必須となる。

栄養成分表示(100gあたり)
熱量 248kcal
たんぱく質 19.3g
脂質 19.2g
炭水化物 0.2g
食塩相当量 42mg
ビタミンB1 0.69mg
日本食品標準成分表2020年版(八訂)

重点商品の商品化の手順とポイント

『最強の焼肉セット』980円/400g
『最強の焼肉セット』980円/400g

【ポイント】 焼肉はこれがあれば完璧!焼肉ベースセット

ゴールデンウィークには一度はインドアやアウトドアで焼肉を行なう。

新型コロナの影響で、バーベキュー用に大量購入するグループでの購入よりも、家庭で楽しむファミリー焼肉を選択するパターンが多くなっている。

単品大量販売よりも、セット商品や小パックで品数を多くする方が購入しやすい。特に、牛タンやハラミ、サガリは、焼肉の中では定番アイテムで、脂肪が比較的少なく女性にも人気。

これに、価格を下げる豚トロ、鶏せせりがあれば、焼肉屋のファーストオーダーに相当する部分は完成する。

今回は、焼肉屋の各畜種のナンバーワンを品揃えした牛タン、豚トロ、牛サガリ、鶏せせりの最強のセットを訴求する。980円という価格で、焼肉商材のベースセットとして展開する。

商品を説明する、部位シールや手書きPOPなども用意することで、わかりやすい売場を実現する。

(商品化)注意すべき点は、コロナ禍で、多くのトレーを触りたくないという意識から、小型セット販売がポイントとなる。

サイズと形状は、エコバックに入る大きさのトレーを想定すると、30cmを越えるセット型トレーは対象外。購入後にどのように持って帰るか消費者を悩ますことになる。

30cm未満で持ち帰りやすい、角トレー(丸トレーや変形トレーではない)の蓋付きがベストである。

(売場)焼肉コーナーでは、希少部位や味付け商材なども販売し、購入しやすい売場作りを目指すと良い。

単品アイテムは1P580円など均一価格にして、よりどりセールで販売すると、買い上げ点数が上がり売上に貢献する。

1パック単価をムリに上げると、購入するのにためらってしまうため、大パックにせず中小パックの小規格で対応する。

関連販売で、焼肉のタレや牛タン用のネギ塩、塩コショウ、なども販売する。

鮮度管理のポイントは、牛タンとサガリの退色をいかに遅くさせるために、雑菌を商品に付けず、温度管理を徹底するかである。

商品化時のドリップの拭き取りと、素早い商品化で中心温度を上げないようにする。

【ターゲット】 ファミリー

【手順】

  1. 開封後、ドリップを拭き取り腐敗臭の原因菌をしっかり除去する。
  2. サガリは表面の皮とスジをトリミング。
  3. サガリの中心のスジは除去せずに、そのまま焼肉用にカットしオペレーションを簡素化。
  4. 牛タンは3mmでスライス、豚トロは削ぎ切りで焼肉用にカット。
  5. 牛タン、豚トロ、サガリを盛り付け、最後に鶏せせりを折り曲げて綺麗に商品化する。

『はみ出る!牛ハラミステーキ』円/100g398円

『はみ出る!牛ハラミステーキ』円/100g398円
『はみ出る!牛ハラミステーキ』円/100g398円

【ポイント】 隠し包丁を見えるよう立体的に盛り付ける

(仕入れ)夏場に向けて焼商材を充実させるが、今年は輸入牛肉の相場が例年より高い予想が出ている。

コロナの影響で工場の稼働だけでなく、物流機能にも影響が出ており、輸送コストが上昇していることなどが一因である

。焼商材に関しては、国産牛肉を上手く活用していく事が必須条件となるが、それでもハラミやサガリは国産で仕入れをすることが難しい。

(ただし、内臓でも小腸や大腸など白物は、昨年から仕入れが容易になっているため、今まで仕入れていなかった企業は先を見据えて国産の仕入れを強化すると良い)

(オペレーション)ハラミやサガリは、焼商材の中でも人気のアイテムのため、品揃えするだけでも売上には寄与することになる。

原価が上がると、値入率が下がると考えがちであるが、作業時間を短縮してオペレーションを簡素化する、ローコストオペレーションに変えることで、人件費を下げることが出来るようになる。

焼肉カットをして、綺麗に縦横をそろえてトレーに盛り付けると、ベテランの担当者は別として、時間がかかることが多い。それを注意し、やり直し、指導を行なう人件費を考えると、2倍以上の労力が発生していることになる。

焼肉よりも、ステーキカットで展開することで、オペレーションを簡素化する。

(商品化)ステーキの柵取りをして盛り付けるだけでは、ブロック販売と変わらないため、隠し包丁を入れることがポイントとなる。

同じ深さまで包丁を入れると、バランス良く開くため、隠し包丁は慣れるまでは、割り箸などを上下において切りすぎないようにする。

トレーへ盛り付ける際は、隠し包丁のラインが少し開くように、上下を少し下側に巻き込むと良い。ステーキをわかるように、部位の札を差し込むとわかりやすい。

【ターゲット】 20代~30代男性

【販売場所】 焼肉コーナー:多段ケース最上段

ステーキコーナー、平台:下段単品大量展開

【使用トレー】 エフピコ MTS19-18フリルグラス、T-MTS19-18嵌合蓋

【手順】

  1. 開封後に腐敗臭や退色の原因となるドリップを丁寧に除去
  2. 表面の皮とスジをトリミング
  3. ステーキの大きさに柵取り
    ※身が割れている部分があれば、その部分を考慮して柵取りする
  4. 隠し包丁を丁寧に入れる
    ※慣れるまでは、割り箸を上下において包丁を入れると同じ深さまでスリットを入れることが出来る